長身スレンダー3人衆”後藤エーコ”
もりもりと宮田アヤのやりとりを見ていたのは、後藤エーコ。
身長167cmスレンダー体型。27才。どちらかといえば童顔。
髪形は肩先まであるショコラブラウンのハーフアップ。
黒髪のショートボブにしている宮田アヤとは、同じような体型だが、見た感じがかなり違う。
後藤エーコはもりもりと同じ調達部に在籍。
そして、もりもりと同じく炊飯器の調達を担っている。
調達部は炊飯器に必要な部品を、サプライヤー(商社)を通して、調達している。
炊飯器業界は中国の量産品に押されているが、ここでは、高級炊飯器を製造していて、後藤エーコはもりもりと一緒に、頑固な職人が作り出す内鍋の調達を任されている。
職人が嫌だ、あなたのは作りたくないといえば、この事業は成り立たない。
もりもりと後藤エーコは、ペアを組んで仕事をする場合もあるが、上司部下の関係ではない。
宮田アヤが帰ってから、1時間程、そろそろ仕事を終えようとして、執務スペースを見渡すと、後藤エーコだけが残っている。
「後藤さん。まだ帰れないの?」
「あ、もりもりさん。もー、聞いてください。本当にひどいです。」
「うん。」
「これ、明日の会議の資料ですが、20人分作らないといけないんですよ。ペーパーレス化しろとか言いながら、言ってることとやってることが違います!」
「なんで後藤さんが会議の準備を?」
「わかりません。課長はさっさとこの仕事を押し付けて、商社と飲みに行きました。」
「この会社の課長どもは飲むのが仕事か?何やってんだ!」
「後藤さん、これは、ぼくが部長に言うよ。ペーパーレス化をしろと言ってるのに、浸透してない。これは部長の責任だと。」
「え?でも、もりもりさんが・・・」
「いいんだよ。こちらの言い分に合理性がある。」
「でも、資料が。」
「明日はどこの会議室?」
「1D会議室です。」
「そこは大型モニターがあるね。そこに映して会議をしよう。資料見せて。」
「はい。」
「あ、これ、ぼくにも関係あるね。一緒に会議出るよ。」
「本当ですか?でも・・・」
「大丈夫。今時ペーパー会議なんて。この資料のファイルはどこに保管されている?」
「課の会議用資料のフォルダに保管しています。」
「ちょっと待って。あ、あった。会議開催通知はスケジューラーで送ってる?うん、わかった。」
「はい、送信!」
「メンバーに資料送っておいた。出席者にぼくも追加し、モニターに映して会議を開催すると。ついでに部長にも部の方針に従がい、このようにペーパーレスでやりますとCCに入れておいたよ。」
「わー、早い。ありがとうございます!今日は19時回ると思っていました。」
「じゃあ、帰ろう。」
「帰ってご飯作らないといけなくて。でも、早く帰れて本当によかった。」
「あ、そっか。後藤さんは一人暮らしだったね。」
後藤エーコは石川県金沢市が実家だ。
「今日は、一緒にご飯食べようか?」
「えーー、いいんですか?行きたいです!」
「食べれなものは無いよね。お魚たべようか?」
「うん!」
もりもりは、後藤エーコが着替えているうちに、刺身、魚の煮つけ、天ぷらが絶品の魚美という店を予約した。
二人は車通勤だが、もりもりの車で行くことになった。
店に着くなり大将が、
「もりもりさん!久しぶり!あ、きれいなお姉さん連れて。」
「ははは、まあね。個室ある?」
「あるよ!もりもりさん、お通しして!」
席に着く二人。
「わあ。一回来てみたかったんです!」
「それはよかった。刺身食べようね。マグロと・・・後藤さんは?」
「えー、何にしようかな?お任せします。」
「おにいさん、今日は、何が入っている?活きがいいの入ってる?」
「ヒラメが入ってます。」
「じゃあ、それ。縁側もね。あと、お茶漬け。梅ね。」
「もりもりさん、わたしもお茶漬け食べたいです。」
「あ、お茶漬けは後藤さんの。」
「え、なんでお茶漬けを食べたいのがわかったの?」
今日の会社での、もりもりは、いつもと違っていた。
やり方は教えるが、このように一から仕事を手伝うことはあまりない。
実は、後藤エーコの右の口角が、荒れているのを見抜いていた。
後藤エーコは、疲れているな、食欲もないだろうな、と。
それで、早く帰らせて、このお店に来て、おかゆでも食べさせたいと思ったのだ。
口元が荒れてるとは言わずに。
「あー、このおかゆ、おいしい。」
と、ぺろっと平らげた。
「おかわりする?おかゆだからカロリーをそんなに気にしなくていいよ。まずは栄養とって。」
「はい!」
「お酒は今日は我慢できる?後藤さんといろいろ話をしながら、ぼくもお酒を飲みたいよ。でもね、お酒って睡眠の質を悪くするんだよ。」
「え?知らなかた。お酒を飲むと、よく眠れると思っていました。」
「違うよ。今度、名古屋の錦3丁目にあるバーに連れて行くから、今日はお酒を我慢できる?」
「はい!」
もりもりは、後藤エーコを乗せて帰路についた。
本当は二次会に行きたかったな。でも、次の約束してくれたから・・・
「この辺だっけ?家に入るまで見ててあげるから。」
「ありがとうございます、もりもりちゃん!バーは約束ですよー」
「あー、OK。・・・ん?もりもりちゃん?」
手を振って出ていく後藤エーコ。
もりもりは、時計を見て、
「よし、明日、ジムに行けそうだ。」
もりもりは、気がよく利くし、思いやりもある優しい男だ。
しかし、女心を汲み取ることは、あまり得意では無さそうだ。




