長身スレンダー3人衆”宮田アヤ”
ここは名古屋市の南に位置する工業団地。
そこに、大手家電メーカー トーカイ株式会社 知多製造所の工場とオフィスがある。
ある日のこと。
ひときわ目を引く長身で綺麗な女性がおじさんに泣きついた。
「もりもりさーん、ちょっと聞いてください。ひどいですよー」
「宮田さん、どうしたの?」
「もー、最悪です。やってられません!」
「ハハハハ、落ち着いてよ。」
「もりもりさん、笑い事じゃないです。まったく、もー」
「こわ 笑」
もりもりに愚痴をこぼしているのは、宮田アヤ。
身長166cmスレンダー体型。26才。
生産管理部という部署で、商品の進捗を管理し、お客様の納期に間に合わせる仕事だ。
宮田は、炊飯器を扱っている。
宮田アヤは困ったことがあると、もりもりのところへ相談にくる。
「お客さんの量販店から、納期繰り上げ依頼があって、5日後に製品No130号を10個届けてほしいと要請があったのに、課長が見落としていたんです。」
「え!!」
「課長が自分のミスにしたくないので、何とか工場にお願いしろと。工場は当然無理だと。」
「在庫は?一番早い工程はどこに仕掛かっているの?」
「在庫は5個。残りの5個は、内鍋が削りコーティング過程で、どんなに急いでもあと、10日かかります!あー、もー、あの課長、いつもなんです。飲みに行く暇あったら仕事してほしいわ。まったく。」
「それで、宮田さんは、どうしたらいいと思う?」
と、もりもりは、問いかけた。
もりもりはニックネーム。なぜか社内や取引先の女性はほとんどそう呼ぶ。
本名は森武ユウキ。60才。170cm、66キロ。
もりもりの、配属先は調達部。
部下はいないが、特命を帯びた管理職。
過去に、生産管理、営業、外注管理のほか、本社勤務など経た海千山千。
宮田アヤが泣きつくのも無理はない。
「うーん、お客様が欲しいと言っている製品は全部はダメだから。」
「大売り出しに使うなら、他のラインナップでもいいのでは?」
「他に在庫があるものを代わりに持っていけないかしら?」
独り言をぶつぶついう宮田アヤ。
実は、もりもりも、そう思っていた。
量販店の大売り出しの目玉として、130号が足りないのであれば、他の人気商品を届ければ、先方の調達マンの顔も立てられるし、彼らの売り上げに貢献できるのではないかと。
「では、さっそく、聞いてみたら?双方にとってWINWINだと思う。いいアイデアだね!」
「はい!そうしてみます。」
「さすが宮田さん!」
「うん!もりもり、ありがとう!」
少し、ホッとした顔で、宮田アヤは生産管理部へ戻っていった。
もりもりも、少しずつ成長をしていく宮田アヤを見て、嬉しそうだ。
数日後。
「もりもりさん!」
「なーに?」
宮田アヤがもりもりのところにやってきた。
もりもりが在籍している調達部のとなりに宮田アヤがいる生産管理部がある。
「この前の話、うまく行きました。ありがとうございます。代替品で持っていた炊飯器15個、全部売れたそうです。」
「よかったじゃん!」
「もりもりさんのお陰です。」
「いやいや。ぼくは何もしてないよ。あ、課長が手柄を横取りしなかったか?」
「大丈夫です。課長と同じく、部長にも事前メール入れておきましたので。」
「へー、大したもんだ。その報告は正しいね。部長が後々、お客さんにお礼を言われた場合、部長が知らないって言ったら、恥かくからね。それに・・・」
「それに?ふふ、課長から先に、手柄として部長に報告入れられなくてすみました。もりもりさんの言うとおりにしました。」
「あははは。本当だね。」
3日後のある日。時間は17時。就業のチャイムが鳴った後、宮田アヤがもりもりの席にやってきた。
彼女はモデルとしての顔もある。名古屋市のモデル事務所に所属し、副業として会社に申請、受理されている。
「今度ジムに一緒に行きませんか?」
宮田アヤはもりもりと同じジムに通っている。
宮田アヤの両親と妹も一緒のジムだ。
「お。いいね。どうして?めずらしいね。」
「(相変わらず鈍いわね。一緒に行きたいだけなのに。) ちょっと教えてほしいマシンがあるの・・・」
「え!何々?何を教えてほしい?鍛えたい部位は?どこの筋肉?マシン?ダンベル?大腿四頭筋?上腕二頭筋?三頭筋か?背中??、プルダウンか?胸をでかくしたいのか?ならベンチプレスか??」
「あの!ベンチプレスは嫌です!なんで私が大胸筋を鍛えるんですか!」
「いや。教えてくれって言ったから・・・」
「もりもりさん!筋トレの話になると、私のことが目に入らないでしょ?」と言いかけて途中でやめた。
この男に、ジムの話した私がばかだったわ・・・
もりもりは、朝5時に起き、会社に行く途中のジムで筋トレをする。タンニングマシンで程よく小麦色に焼き、歯はホワイトニングを施している。
「また、誘いますね!もりもりさん。いつも、ありがとう!」
「なんだ??」
宮田アヤが、後ろに手を組んで言った。
「今度、メールするね。もりもりちゃん。」
「あー、OK。・・・ん?もりもりちゃん?」
この様子を、
「は?何、あのオンナ。」と見ている女性がいる。
もりもりと同じ部に所属するスレンダー3人衆の一人、後藤エーコである。
彼女も、もりもりを慕う一人である。




