Q&A
ここでは、いただいた質問をピックアップして載せていこうと思います。
いったん完結いたしますが、このページだけは不定期で追加修正されていく予定です。
【Q1:五感をどう表現していいのかとりあげてほしいです】
ホラー小説における五感は、わたしの中ではこのような順位です。
触覚>聴覚>嗅覚>視覚>味覚
左に行くほど重要視しています。
意外と視覚は後ろの方なんですね。書いてから気づきました。
人は恐怖を感じた時、まず何が起こるかというと「ぞくぞくする」とか「鳥肌が立つ」とか「背中が泡立つ」なんていう皮膚の反応がまず起こります。「冷や汗をかく」とか「ひざががくがくする」とか「心臓がどきどきする」などの反応もそれに入りますね。だから、触覚の表現が一番たくさん出てくるのです。
次の感覚は聴覚。その「心臓の音」だったり、「敵の物音」だったりです。
次に嗅覚。「血のにおい」だったり「カビのようなにおい」だったり、死を連想するにおいです。
そして視覚。「これは夢ではなく現実に起こっていることなのだ」と状況を客観的に認識する目。
最後に味覚。これは一番置いてきぼりです。「喉の渇き」くらいは感じますが、これも体の反応(触覚)です。「食」=「生」がだいたいセットになっているので、できればここの味覚の表現は避けたいところです。もし書くとしたら、泥水に顔から突っ込んで苦い味が口いっぱいにひろがるとか、舌がしびれたとか、味のわからない表現にしておきましょう。
ここでそれぞれの具体例をあげておきます。
ちなみに参考は「リング」です。
●触覚――妙な湿っぽさ、かゆみ、尿意、心臓がドキドキ、ぶるっと寒気、手が震える、うなじのあたりが総毛立つ、突然の吐き気、息苦しさを覚える、呼吸が荒くなる、のどの渇き、唾を飲み込む
●聴覚――虫の羽音、心臓の音、部屋の中の異常な物音、断末魔
●嗅覚――肉の腐ったすえた臭い、湿った土の匂い、雨の匂い
●視覚――闇、影、暗黒、その他現実の風景
●味覚――ほとんどなし
さらに、「何者かの気配」など第六感を書く場合もありますが、これには注意が必要です。
まず第六感を持つ人がとても少ないということです。万人に理解しやすく書くためには、これも多用しない方がいいでしょう。かならずそこには触覚、聴覚、嗅覚、視覚などの情報が存在しているはずなので、なるべくそちらを使うようにしてみてください。
【Q2:ホラーにテンプレとかってありますか? 例えば教室なりカラオケボックスなどの雰囲気密室感あるところで閉じ込められてしまったみたいな(?)】
感想欄でもお答えしましたが、こちらでも記述しておきます。
閉じ込められる、というのはけっこうテンプレ(お約束?)としてありますね。
いつも普通に使っていた場所・物が急に使えなくなるというやつです。
こういう現象が起こると、「あれ? なんで使えねえんだよ!?」と登場人物たちはたいていパニックを起こしますね。そして時間経過とともに、驚き→怒り→不安→恐怖と心境が変化していきます。
これは「ホラーとコメディーとシュールは紙一重」でも触れましたが、ここは日常との「ズレ」をどのように描くかによってホラー度は変わってきます。
テンプレは主に「日常から非日常に変わるイベント」→「非日常に翻弄される人々」→「非日常との対決」→「解決or未解決」です。
この「非日常に変わるイベント」が多ければ多いほど怖いと思います。
感想欄でも書きましたが、「妙に食欲がわいて三食ともご飯四杯くらい食べたのに、体重が昨日より五キロ減ってる」という状況になったら何を疑うでしょうか。
まず病を疑って病院で検査しますね。でも何も異常がない、それでもどんどん体重が減り続けて、自分だけじゃなく、家族も減り始めた……ってなったらどうしますか? そして家族の中でひとりだけ無事だった人間の体重が増え始めたら……。
と、ここまでくると、オカルトに詳しい人なり、神職系の助っ人なりが登場して原因が判明したり、対決したりって展開になっていくんですよね。
テンプレは? と訊かれてあえて答えるなら、このような流れです。
ここらで完結といたします。
いままでご覧いただいてありがとうございました!
皆様のお役に少しでも立てていれば良いのですが。
このページだけはたまに更新しますので、また時間がありましたらご覧になってみてくださいませ。
ではでは!
いままでありがとうございました!
※良かったら他の作品も見ていただけると嬉しいです。
・ホラー短編「イタコdeごはん」
・ホラー短編「女の河童と船頭」
・現在連載中SF恋愛小説「スチームキングダム~まだまだ未熟な義肢装具士ですが、呪われ王子様の専属技師としてがんばります!~」