救援Ⅳ
平原を進むと森へとたどり着いた。
「おい兄ちゃんよ、何でそんなに迷い無く進めるんだ?」
追いついたジョンが疑問をぶつけてきた。
「それは…」
正直自分でも、なぜこんなにはっきりと行き先が分かるのか理解できないでいる。
「まあいいや……確信はあるんだろ?」
ジョンもこれについてそれ以上追及するつもりはないらしい。
頷きで返し森の中へ歩みだした。
森はところ狭しと木が生えて道らしいものは見当たらない。
それでも俺は真っ直ぐに目的地に向けて歩くことができた。
この道を通ったことがある。
そんな気がしたから。
しばらく歩くと小さな地鳴りがした。
「わっ!なに!?」
エリナが目を丸くしてキョロキョロしている。
「通路の爆破をしたんだろう…これで何事もなければ一先ずは作戦成功なんだが」
通路を爆破し敵の足止めをするという作戦…どうなるのだろうか?
「成功にせよ失敗にせよ見に行くことに変わりねぇだろ?」
ジョンの言う通りだ。
俺達はこのまま進む。
森の奥に着くと開けた場所に出た。
地面には所々穴が空いている。
ここもやはり見覚えがある。
ここが目的地だと伝えるとエリナが穴に駆けていき中を覗いた。
「うわぁ…ほんとにすごい数……」
俺とジョンも穴を覗くと大量のゴブリンが進路を見失い混乱していた。
「へへ、予想以上の効果が出てるな」
「ん?あれは何だ?」
俺はゴブリンの大軍の中にホブゴブリンよりも大柄な何かを見つけた。
「どうした?」
その何かを指差してジョンに知らせた。
俺とジョンは目を凝らしてその何かを観察した。
ゴブリン達もその存在に気付くと道を開けて塞がれた通路へと通した。
そいつはライオンの頭をして金の装飾が施された立派な鎧に身を包んでいた。
あれも恐らく魔物だ。
しかも何か異様な力を感じる。
魔物は塞がれた通路の前に着くと腰を落として構えをとった。
その場にいる誰もが息をのみ辺りは静まり返った。
その静寂は一瞬で破られる。
ドゴオオオ!!
何が起きたのか全く分からない。
魔物が立っていた辺りは土煙で包まれ何も見えなくなってしまった。
土煙がおさまり中の様子が見えてくると、塞がれたはずの通路が開いていた。
「おいおい、どういうこったよ…」
そう言ったジョンの顔は固まっていた。
エリナは手で口を押さえ信じられないといった表情を。
だが俺だけはこうなることを分かっていた気がして驚きも薄かった―――




