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救援Ⅲ

 鐘釣を出た俺とエリナは土竜のコロニーへ向かおうとした。

「おい、待ちな」

町を出ようとした所に声をかけてきたのは小柄な男だった。

「どこ行く気だい?」

「いや~、ちょっと散歩へ……」

エリナが誤魔化そうとするが全く通じていない。

じりじりと近づく男に外に出るのは無理かと諦めかけた。

「へへ、土竜のコロニーへ行くんだろ?」

男はこちらを追い返すでもなくニヤリと怪しい笑みを浮かべた。

「行かせてくれるんですか?」

「俺も着いていくけどな」

男はエリナにそう言うとこちらにも視線を向けてきた。

「へぇ、確かにこれで汚ねぇ格好してたら魔物っぽいわな!」

男の下卑た笑いに不快感を覚えつつも外に出られることにはほっと胸を撫で下ろした。

「私達を町の外に出していいんですか?」

「へへ、その方が面白そうだろ?嬢ちゃん」

きっとこの男はいつもこうなのだろう。


 男を加えた三人で土竜のコロニーへの道中軽く自己紹介をした。

彼の名はジョン。

コロニーに潜入中のホフマンの同期だそうだ。

見た目以上に頼りになるのかもしれない。

しかし好きにはなれそうにない。

あのエリナですらいい顔はしていない。

その他にもホフマンの話、もう一人一緒にいるヘンリーという男の話、それに途方もない敵の数を聞いた。

とんでもない事態のだが彼の話のチョイスは面白さが重視されていて重要な話もホフマンに関するくだらない笑い話に埋もれてしまって緊張感が出なかった。


 土竜のコロニーの入口に着くと既にロープが仕掛けてあった。

ホフマン達の物だろう。

「うし、行くか!」

「ちょっと待ってください」

俺は気合いを入れるジョンを止めた。

「なんだよ兄ちゃん!忘れ物でもしたか?」

苛立つジョンをなだめて一つ提案をした。

「コロニーを上から攻めませんか?」

俺の提案にエリナとジョンはキョトンとしていた。

「敵の集まっている場所の真上を爆破するんです」

「爆弾はありますけど真上なんて場所が分からないですよ?」

「流石に俺も地下を進んでたから方向感覚だけで探し当てるのは難しいぜ」

二人がこの作戦に消極的なのも仕方がない。

土竜の通路は何度も曲がって進んでいたためここからでは跡を辿れないのだ。

しかし俺には何となく位置が分かった。

それに爆破すればいいこともすぐに思い付いた。

普段ならこんな発想は出来ない。

なぜ思い付けたのか記憶は曖昧になっていた。

「こっちです」

とにかく位置だけがはっきりとした曖昧な記憶にしたがってコロニーの入口を通りすぎた。

エリナとジョンも困惑していたがそれに続いた―――



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