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虎狩りⅡ

 険しい山道をジョンは意気揚々と登っていた。

あの身体のどこにそんな体力があるのか不思議でならない。

それにあの身のこなしも只者ではなかった。

「遅えぞあんちゃん!」

こちらのペースにお構いなしで進むジョンが振り返って急かしてきた。

「お前は軽装だからいいだろうが、俺は鎧を着込んで盾も持っているんだ。ペースを考えろ。それと、あんちゃんではないホフマンだ。」

「へへっ、そりゃ悪いなホフマン。でもあんまり遅いと本当に置いていって一人でやっちまうぞ。」

「勝手に突っ走って死んだら死体の回収してやらないぞ、ジョン」

山道を進む内に少し打ち解けてきた気がした。


 魔虎の巣穴は山の中腹にぽっかりと空いている。

そこで魔虎を倒すのが今回の試験内容だ。

情報ではこの辺りのはずだ。

その時視界に光るものが入った。

その光はこちらを捉えるとジョン目掛けて勢いよく放たれた。

「ジョン!」

危機を知らせようとするとさっきまでとは雰囲気を変えたジョンが既に光を確認して回避していた。

「危ね~、俺じゃなかったら死んでたぜ?もっと早く教えてくれよ~」

相変わらずふざけた態度だがジョンも敵の姿を捉えていた。

さっきの光は矢を放ったのだろう。

この辺りで道具を使うのは野良のゴブリンぐらいだ。


 「あの辺だな」

ジョンの指す方向では岩影にゴブリンが隠れているのが分かる。

「俺が先行する。ジョンは十分近づいた所で飛び出せ。」

「盾役よろしく頼むぜホフマン」

ジョンの前で盾を構えて岩へと前進した。

こちらの動きに反応して岩影から3匹のゴブリンが現れた。

棍棒を持ったものが二匹と弓を持ったものが一匹。

弓のゴブリンはいくつもの矢を放ったがそれを防ぐのは容易であった。

残りの二匹がその中を駆け抜けこちらに突撃してくる。

「俺が先に来る右の奴をやる。ジョンはその後の左を頼む。」

「あいよ」

予想通りに突っ込んできたゴブリンを切り払うとやはりそこを狙ってもう一匹が飛び掛かってきた。

「甘えぞ!」

それを後ろにいたジョンがフォローし残りは弓のゴブリンだけとなった。

しかしその惨劇に臆したゴブリンは弓を置いて既に逃げ出していた。

「へへっ、逃がすかよ」

それを見たジョンは逃げるゴブリンに突撃し見事にそれを撃破した。


 「ゴブリンぐらいそんなに追わなくてもいいだろ?」

「何言ってんだよ。ただの山登りじゃ退屈だろ?」

ジョンは心強くはあるがやはり人間性に問題がありそうだ。

何はともあれ目的地はもうすぐだ。

魔虎はゴブリンほど上手くはいかないだろう。

気を引き締めなければ―――



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