竜の塚
朝目が覚めると下の階からドタドタと足音が聞こえてくる。
たぶんエリナが動き回ってるのだろう。
朝から元気なものだ。
家鳴りもうるさいしこれ以上眠れそうにない。
部屋を出ると美味しそうな香りがしてきた。
一階ではエリナがロビーのテーブルに着き朝食を摂っていた。
「あ、んぐ……んぉはようございます!」
「おはようございます……」
エリナがトーストとスクランブルエッグを食べている。
それをボーッと見ているとエリナが気づいたようで
「お婆ーちゃーん!朝御飯アルベルトさんの分もお願ーい!」
ねだったようで申し訳ないような気もするが貰えるなら貰っておこう。
「ありがとうございます……朝から元気ですね……」
まだ眠く欠伸をしながらエリナの正面の席に着いた。
「朝から元気じゃないと危ないですよ。体が資本です。」
確かにボーッとしていたら危ないかもしれない。
「ほら、できたよ」
カウンターからお婆さんが朝食を用意して出てきた。
エリナの物に比べて量が少ない気がするが別にいいか。
「今日も昨日の辺りに行くんですか?」
「はい、そうですね」
エリナと出会った場所は彼女がよく行く謂わばテリトリーのような所だったようだ。
「あそこはあんまり人来ないんですけどね。アルベルトさんが出てきた時は色々とびっくりしましたよ。」
突然逃げていってしまったぐらいだ。
よっぽどの驚きだったのだろう。
「ご馳走さまでした!アルベルトさんも食べ終わったらすぐ出発ですよ!」
そう言ってそそくさとエリナはまた部屋に戻っていった。
「早く食べて準備してきな。あんまり待たせるんじゃないよ。」
確かに待たせるのは良くない。
早く食べて準備を済ませよう。
朝食を食べ終えて部屋で準備をしていると下から声が聞こえてきた。
「アルベルトさんまだですかー!?早く行きましょー!!」
エリナが急かしている。
もっと寝ていたいが行かなくては。
ロビーでは膨れっ面のエリナが待っていた。
「遅いですよ。アルベルトさん。魔物探しって大変なんですよ?一日探しても見つからないこともあるんですから。」
案外魔物は見つからないもののようだ。
治安的にはその方が良いのだろうが早く見つけて早く帰りたい。
「ほら、行きますよ!」
エリナは先に出てしまった。
「あんたあの子の足を引っ張るんじゃないよ」
「あ、はい。気をつけます。」
「早く行きな!」
「はい!すみません!」
お婆さんの荒っぽい送り出しを受けてエリナとの魔物退治に出発したのだった―――




