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アストライト・ジャーニー ~終星の魔女と機械兵~  作者: 天野 肇
第8章 星々の彼方

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3

 博士はきっと、箱舟に乗れなかったんじゃない。

 乗(・)ら(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)んだ。


 トート博士の手首には、外せない腕輪がついていた。

 大罪人の証。あの地下都市から離れれば、爆発するよう仕組まれていた。

 けれど、あの人ならばきっと、最後の最後まで、自分を逃がす方法を探すこともできたはずだ。

 それでも、博士はそれをしなかった。自分の腕輪を外す時間があるなら、誰かを一人でも箱舟へ導く。自分の命を延ばす方法を考えるくらいなら、残されたテクナとマギアを一人でも多く鼓舞した。

 

 最期にあんなふうに嘘までついて。

 あの場所に留まって、生かす道を選んだのだ。

 

 博士が乗れたかもしれない箱舟で、僕らは地中深くから舞い上がり。

 博士が一人で出ることができなかった場所から、僕らは二人、夜明けの空に打ち上がる小さな明星になって。


 地上から。

 空から。

 この星から。

 飛び立っていく。

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