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玄武の渡り人 ~帰還できるのは、ただ1つの大陸だけ~  作者: かにかま
第2章 玄武門

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リザードマンの巣窟(そうくつ)前編

ユースケとソラが先頭に立ち、洞窟の入口へ近づいていく。


その後ろで、ヒナが杖を構えた。

「プロテクション!」


魔法の光がユースケを包み込む。

続いて、ソラにも同じ光がまとわりついた。


「これで2人とも、30分間VITが上がります」

「助かる」

「ありがとうございます!」


その時、カイが前方を見る。

「来る。4体」


入口付近にいたリザードマンが、こちらへ向かって走ってきた。


「ウィンド!」

「ウィンド!」


シオリとリクが同時に魔法を放つ。

2つの風の刃が飛び、先頭の2体を切り裂いた。


弱点を突かれたリザードマンが、そのまま光の粒となって消える。


「あと2体!」


ユースケは盾を構え、残った1体を迎え撃つ。

振り下ろされた長剣を盾で受け止めた。


もう1体にはソラが向かう。

「こっちは俺が!」


リザードマンの攻撃を横へかわし、そのまま側面へ回り込む。

短剣が脇腹を斬り裂いた。


カイも弓を引く。

放たれた矢が、ソラと戦っているリザードマンへ突き刺さる。


「ウィンド!」

「ウィンド!」


さらにシオリとリクの風魔法が飛ぶ。

残った2体も光の粒となって消えた。


「問題なさそうだね」

ユースケは洞窟の奥を見る。


6人は改めて隊列を整えた。

先頭はユースケとソラ。その後ろにシオリ、ヒナ、リク。最後尾をカイが警戒する。


「それじゃあ、行こう」


6人はリザードマンの巣窟へ足を踏み入れた。


岩壁に沿って灯籠が並び、淡い光が洞窟の中を照らしている。


しばらく進んだところで、カイが足を止めた。


「この先に4体いる」

「部屋の中?」

「たぶん。少し広くなってる」


6人は足音を抑えながら進む。

やがて、小部屋の中が見えてきた。


リザードマンが2体。

残る2体は、これまでとは姿が違う。


1体は重厚な鎧を身につけ、大盾を構えている。

もう1体は弓を持っていた。


「種類が違うね」

ユースケはアナライズを使う。


【リザードナイト】

【レベル20】

【弱点属性:風】

【耐性属性:氷】

【状態異常耐性:なし】


続いて、弓を持った個体にもアナライズを使う。


【リザードアーチャー】

【レベル19】

【弱点属性:風】

【耐性属性:氷】

【状態異常耐性:なし】


「大盾がリザードナイト。弓がリザードアーチャー」

「どっちも風が弱点なんですね」

ヒナが敵を見る。


敵も役割が分かれてきたか。

ユースケは小部屋の配置を確認する。

「先にアーチャーを倒そう。遠距離から撃たれ続けると面倒だから」


「それアリじゃん」

リクが杖を構える。


「リクとカイでアーチャーをお願いできる?」

「オッケー!」

「分かった」


「シオリは右のリザードマン。ソラは左を横から狙ってみて」

「任せて!」

「分かりました!」


ユースケはリザードナイトを見る。

「ナイトは俺が止める。ヒナは全体を見ながら回復をお願い」

「はい」


全員が構える。

ユースケが小部屋へ踏み込んだ。


「シールドノック!」

盾を強く打ち鳴らす。

敵の視線がユースケへ集まった。


すぐにリザードアーチャーが弓を引く。

矢が飛んでくる。


ガンッ!

ユースケは盾で受け止めた。


その間に、カイが弓を引き絞る。

「ダブルショット!」


素早く放たれた2本の矢が、リザードアーチャーへ突き刺さる。


「ウィンド!」

続けてリクの風の刃が直撃した。

リザードアーチャーが光の粒となって消える。


【リザードアーチャーを討伐しました】

【リザードマンの鱗を獲得しました】


「よし!」

リクが杖を握り直す。


反対側では、シオリも杖を向けていた。

「ウィンド!」


風の刃がリザードマンを切り裂く。

弱点を突かれたリザードマンが、そのまま消えた。


残った1体にはソラが回り込んでいる。

ユースケへ向かおうとするリザードマンの側面から、短剣を振る。


ザシュッ!

リザードマンがソラへ振り向く。

「こっち!」

攻撃をかわし、再び側面へ回る。


魔法のディレイが終わったシオリが、もう1度杖を向けた。

「ウィンド!」

風の刃がリザードマンを切り裂き、光の粒となって消えた。


残るのは、リザードナイトだけ。

その間、ユースケは大盾を持つリザードナイトと正面から向き合っていた。

長剣を盾で受ける。


ガンッ!

重い衝撃が腕へ伝わった。

「結構、重いね」

さらに攻撃を受け、HPがわずかに減る。


ヒナが杖を向けた。

「リジェネ!」

柔らかな光がユースケを包む。


「ありがとう」

「無理しないでくださいね」


「ウィンド!」

リクの風の刃が正面から飛ぶ。


だが、リザードナイトは大盾で攻撃を受け止めた。

風が弾ける。

リザードナイトはわずかによろめいただけだった。


「マジ?」

リクが目を丸くする。


「盾でかなり威力を落とされてるね」

ユースケがシルバーソードを構える。

全員で囲めば倒せる。


そう思った、その時だった。


洞窟の奥から複数の足音が響いてきた。

カイがすぐに振り返る。


「奥から3体来る」

「えっ?」


ソラも洞窟の奥を見る。

新たなリザードマンが2体。

さらに、リザードアーチャーが1体。


3体の敵が小部屋へ姿を現した。


「追加かよ!」

ソラが短剣を構え直す。


「みんな、落ち着いて」

ユースケも盾を構える。


「俺が追加の3体のヘイトを取る。ソラはナイトのタゲを取ってくれる?」

「分かりました!」

「無理に攻撃を受けなくていいからね」

「はい!」


ユースケは新たに現れた敵へ走る。

「シールドノック!」


盾を打ち鳴らす。

3体の視線がユースケへ向いた。

「アーチャーから落とそう!」


カイはすでに弓を引いていた。

「ダブルショット!」


素早く放たれた2本の矢が、リザードアーチャーへ突き刺さる。


「ウィンド!」

リクもすぐに追撃する。

風の刃が直撃し、リザードアーチャーが光の粒となって消えた。


シオリは2体のリザードマンへ杖を向ける。

「こっちは任せて!」

「ウィンド!」


風の刃が1体を切り裂く。

弱点を突かれたリザードマンが光の粒となって消えた。


残った1体がユースケへ長剣を振り下ろす。

ユースケは盾で受け止め、その場に留める。


シオリは杖を構えたまま、魔法のディレイが終わるのを待った。


「もう1発!」

「ウィンド!」


風の刃が残ったリザードマンへ直撃する。

リザードマンが光の粒となって消えた。


「追加は終わり!」

リクが声を上げる。


ユースケはすぐにリザードナイトへ視線を戻した。


ソラが避けながら短剣で攻撃を続けている。

リザードナイトが向きを変えるたび、ソラは距離を取り、正面に立たないよう動いていた。


「ソラ、そのままで大丈夫!」

「はい!」


ユースケもリザードナイトの側面へ回り込む。

「アーマーブレイク!」

シルバーソードが鎧を斬りつけた。


【リザードナイトの防御力を下げました】


カイも弓を引く。

「ダブルショット!」

2本の矢が続けてリザードナイトへ突き刺さる。


リクも杖を構えた。

「ウィンド!」

風の刃が飛ぶ。


だが、リザードナイトはすぐに大盾を向けた。

風の刃が盾へぶつかり、威力を削がれる。


「やっぱり正面は防がれるね」


ユースケは大盾を見る。

なら、盾を構えられない瞬間を作ればいい。


「崩してみる!」


ユースケが盾を構え、踏み込む。

「シールドバッシュ!」

ガンッ!


リザードナイトを後方に吹き飛ばす。

その隙を見て、全員が動いた。


カイが矢を放つ。

シオリとリクが杖を向ける。

ヒナも続いた。


「ウィンド!」

「ウィンド!」

「ウィンド!」


3つの風の刃が、体勢を崩したリザードナイトへ襲いかかる。

ソラも素早く接近し、側面から短剣を振り抜いた。

「トリプルアタック!」


矢、魔法、短剣。

連続した攻撃を受け、リザードナイトの身体が揺れる。


そして…。

光の粒となって消えた。


【リザードナイトを討伐しました】

【リザードマンの鱗を獲得しました】


「倒した!」

ソラが嬉しそうに声を上げる。


ユースケは息を整えながら、洞窟の奥を見る。

最初の部屋から、いきなり増援まで来た。


「ここから先は、もっと慎重にいった方が良さそうだね」


6人は装備と周囲を確認し、さらに奥へ進む準備を始めた。

おかげさまで『玄武の渡り人』が累計2000PVを達成しました!

読んでくださっている皆さま、本当にありがとうございます。


今後も物語をしっかり作りながら連載を続けていくため、更新を毎日12時から、毎週月・水・金の12時へ変更します。


更新回数は少し減りますが、その分1話ずつ大切に仕上げていきたいと思います。


引き続き『玄武の渡り人』をよろしくお願いします!

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