↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄武の渡り人 ~帰還できるのは、ただ1つの大陸だけ~  作者: かにかま
第1章 始まりの街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/52

初めてのお買い物

翌朝。

朝食を済ませたユースケは、そのまま冒険者ギルドへ向かった。


「換金をお願いします」


受付嬢に素材を渡す。

ウルフの牙をはじめ、ラビットミートやスライムゼリーもまとめてカウンターへ並べた。


「ウルフの牙は1つ700Gで買い取らせていただきます」

「お願いします」


しばらくして、ヘルパーに通知が表示された。


【36,000Gを獲得しました】

【所持金 44,000G】


「よし」

ユースケは思わず頷いた。

ホーンラビットだけを狩っていた頃とは、収入が比べものにならない。


ギルドを出ると、武器屋の看板が目に入った。

「アイアンソードは28,000Gか…」


メイン武器の強化を考えるなら、真っ先に買いたい装備だ。

片手剣は熟練度もLv4まで上がり、もっとも使い慣れている。


だが、昨日のウルフ戦では今の片手剣でも火力不足は感じなかった。

遠距離用には転職祝いでもらったアイアンボウもある。


一方で、防具はほとんど更新できていない。

「死んだら終わりだしね」

少し考えて、武器屋から視線を外す。

「今は防具を優先しよう」

そう決めると、ユースケは防具屋へ向かった。



店内には、さまざまな防具が整然と並んでいた。

「いらっしゃいませ」

店主に軽く会釈し、ユースケは商品を見て回る。


【頭装備】

【ブロンズヘルム DEF+2 8,000G】

【アイアンヘルム DEF+5 20,000G】


【胴装備】

【ブロンズアーマー DEF+6 18,000G】

【アイアンアーマー DEF+12 50,000G】


【腕装備】

【ブロンズガントレット DEF+3 8,000G】

【アイアンガントレット DEF+6 22,000G】


【足装備】

【ブロンズグリーブ DEF+3 9,000G】

【アイアングリーブ DEF+6 24,000G】


【盾】

【ブロンズシールド DEF+6 15,000G】

【アイアンシールド DEF+10 35,000G】


「全部は無理か」

ブロンズシリーズを一式揃えるには58,000G。

今の所持金では14,000G足りない。


ユースケはしばらく防具を見比べた。


「まずは胴だね」

ブロンズアーマーはDEF+6。

今買える防具の中では上昇値が大きい。


次に視線を盾へ向ける。

「木盾も使えなくはないけど…」


旅立ちの森では、何度も盾でウルフの攻撃を受けた。

シールドバッシュも戦い方の一部になっている。

「盾も更新しておきたいな」


胴と盾で33,000G。

残りは11,000Gだ。


「なら、頭もいけるか」

腕と足は次回に回す。


「ブロンズヘルム、ブロンズアーマー、それとブロンズシールドをお願いします」

「ありがとうございます」


店主は笑顔で商品を差し出した。


【ブロンズヘルムを購入しました】

【ブロンズアーマーを購入しました】

【ブロンズシールドを購入しました】

【41,000Gを支払いました】

【所持金 3,000G】


「一気に財布が軽くなったね」

苦笑しながら、ユースケは購入した防具を装備する。

すると、装備した防具が淡い光に包まれた。


「…?」


光が収まる。

目の前の鏡に映っていたのは、重厚な金属鎧ではなかった。

肩や胸には金属が使われているものの、全体は革を主体とした軽装だ。


動きやすさを重視した、盗賊らしい装いになっている。

「見た目が変わった?」

ユースケはヘルパーを開く。


【防具の外観は職業ごとに自動で変化します】


「なるほど」

性能は変わらず、外見だけが職業に合わせて変化するらしい。


軽く身体を動かしてみる。

見た目ほど重さは感じず、動きづらさもない。

続いて左腕へ視線を落とした。


木盾に代わって装備されたブロンズシールドは、金属で縁取られ、以前よりずっと頑丈そうに見える。


軽く叩いてみる。

カンッ。

硬い金属音が返ってきた。

「これは安心感が違うね」


自然と笑みがこぼれる。

店を出たところで、今度は魔法屋が目に入った。


「魔法も欲しいところだけど…」

店頭に並ぶ魔法書へ視線を向ける。


ファイア。

アイスバレット。

ウィンド。

アース。


攻撃魔法はどれも15,000G。

ヒールは20,000Gだ。


「高いな…」


盗賊でも魔法は習得できる。

攻撃魔法があれば攻撃手段が増えるし、ヒールがあれば自分で傷を回復できる。


戦い方の幅は間違いなく広がる。

だが――。


「3,000Gじゃどうにもならないね」


アイアンソードも28,000G。

魔法書も最低15,000G。


欲しいものはいくらでもある。

「まずはまた稼ぐか」

次に何を買うかは、その時の戦い方を見て決めればいい。


ユースケは魔法屋をあとにし、旅立ちの森へ向かった。



その日も狩りは順調だった。

弓で1匹だけ釣る。

片手剣へ持ち替える。

シールドバッシュで体勢を崩し、スラッシュで追撃する。

「よし」

危なげなくウルフを討伐していく。


ブロンズシールドに変えてからは、攻撃を受けた時の衝撃も以前より軽く感じる。

「装備更新は正解だったな」


ユースケはブロンズシールドを軽く叩き、満足そうに頷いた。


その時だった。


「きゃあああっ!」


森の奥から悲鳴が響いた。

ユースケは反射的に顔を上げる。


続けて怒号が聞こえた。


「ナオヤ! 下がれ!」

「無理だ! 間に合わ――」


言葉は途中で途切れた。

嫌な予感が胸をよぎる。

ユースケはすぐに瞬足を発動した。


全力で駆け出す。

木々の間を駆け抜け、枝葉をかき分ける。


そして――。


開けた場所へ飛び出した。

そこには3人の渡り人がいた。


斧と盾を手にしたサトル。

拳を構えて応戦するラン。

そして、杖を握ったナオヤ。


だが、状況は最悪だった。

6匹のウルフが3人を取り囲んでいる。

そのうち1匹が、ナオヤの肩へ深く噛みついていた。


「リンクしすぎだ…!」


サトルが必死に斧を振るう。

ランも拳で応戦しているが、数が多すぎる。


さらに別のウルフが、ナオヤへ向かって飛びかかった。


「ナオヤッ!」


ランの悲痛な叫びが森に響く。


「やめろぉぉぉ!」


サトルが駆け寄ろうとする。

しかし、別のウルフが立ちはだかった。

突破できない。


このままでは間に合わない。

ユースケは片手剣を握り直した。


「間に合え…!」


次の瞬間。

ユースケは地面を蹴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
防具のDEFとステータスのVITは別物なのかな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。