表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/24

第18話 私の居場所

フウカちゃんは優しい。


だからきっと、私の()()も許容してくれると思う。

……そうであって欲しいだけかもしれない。


首元のチョーカーをそっとなぞって、その感触を確かめた。

これは友達から貰った大事なもの。知り合って間もないけど、プレゼントなんて久々に貰ったから嬉しかった。


 「アオイさん。ご飯、置いておきますから。」


部屋の向こうから冷たい声がする。 

父親の再婚相手。

あの人の視線は、子どもに向けるにしては少々刺々しい。


私は父親の連れ子だった。

1階では腹違いの弟が、その“両親”と食卓を囲んでいる。


私がそこに居るのが嫌なんだろう。

まあ私も、別に混ざるつもりはない。


いくつの時だったかな……。

この傷ができちゃったのは。


再婚相手がヒステリックを起こした時、たまたま給湯器が倒れた。

右肩に激痛が走ったことだけを覚えている。


後は父親から聞かされた話だ。


父親が私のために怒ってくれたらしい。

でもその言い合いのせいで処置が遅れ、病院に行っても跡が残った……という、どうしようもない話。


もうどうでもいいや。

結局、この家に私の居場所は無い。


そんな中で出来た友達が、「誰も否定されない世界を作りたい」なんて言うもんだから、私も感化されちゃった。


フウカちゃんはすごい魔法少女だ。

私をこんなに元気にしてくれる、最高の魔法少女。


私にもやりたいことができた。

みんなに居場所のある世界。その1歩目を貰った気がする。


いつかこの傷のことを話せたら、真夏を長袖で過ごさなくて良くなるかな。

その時は海にでも行って、フウカちゃんたちと遊びたい。


毎年この季節が億劫だった。


でも今は、少しだけ楽しみ。

だってほら、半袖の可愛い服を探す手が止まらないもん。

チョーカーと合わせる服を買おう。

ハートのサングラスとかも買っちゃう?



……望んでも望まなくても、言わなきゃいけない時は来る。

でも今はそうじゃなくていい。

魔法という不思議な縁で繋がった友達は、なんだか今まででいちばん特別な感じがした。


いつか、笑って言えたらいいな。

この傷が……どうでも良くなるくらい、笑って。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ