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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第七十二話 初めての共闘


黒衣の男の周囲に、黒い魔力が渦巻く。


地下室の床に亀裂が走った。


「本気を出すって……。」


柚が拳を握る。


「今まで本気じゃなかったの?」


カイルが答える。


「今までの攻撃は、ほとんど牽制だ。」


「こいつの目的は戦うことじゃない。」


「シロを連れていくことだったから。」


黒衣の男が笑う。


「その通り。」


「だが、もう必要ない。」


男の視線がシロへ向く。


「魔王は、自分の力を使い始めた。」


「ならば、ここで完全に目覚めさせる。」


シロが一歩下がる。


「完全に……?」


カイルが叫ぶ。


「シロ、絶対にあいつの魔力を受けるな!」


「分かった!」


男が手をかざす。


黒い魔力が巨大な槍のように集まる。


「終わりだ。」


「させるか!」


柚が飛び出す。


暁も続く。


二人が左右から同時に攻撃する。


男は黒い魔力の壁を作った。


ドォン!!


柚の拳が壁にぶつかる。


「硬っ……!」


暁も蹴り込む。


「くそ!」


それでも壁は崩れない。


男が笑う。


「無駄だ。」


その瞬間。


「だったら、三人ならどう?」


シロが手を上げた。


黒い魔力が柚と暁の周囲を包む。


「え?」


柚の身体が軽くなる。


「これ……。」


暁も驚く。


「力が増してる?」


シロが頷く。


「私の力で、二人を強くできるみたい。」


柚が笑う。


「それなら――。」


暁も拳を握る。


「今度こそいける。」


三人が同時に踏み込む。


柚が正面から拳を叩き込む。


ドンッ!!


暁が横から蹴り込む。


ガァン!!


そしてシロが黒い魔力を操る。


男の魔力の壁が、大きく揺らいだ。


「なに……!?」


「今!」


柚が叫ぶ。


暁が一気に踏み込む。


「終わりだ!」


ドゴォォン!!


二人の攻撃が同時に壁を突き破った。


黒い魔力が一気に弾ける。


男が後ろへ吹き飛ぶ。


「ぐあっ!」


床を転がり、壁に叩きつけられる。


柚は拳を構えたまま睨む。


「どう?」


男はゆっくり立ち上がる。


しかし――


その顔には笑みが浮かんでいた。


「……面白い。」


暁が警戒する。


「何が面白い。」


「魔王が二人の異世界人と力を合わせる。」


男はシロを見る。


「千年前と同じだ。」


シロの表情が変わる。


「……千年前?」


「あなたは、千年前の私を知ってるの?」


男は答えない。


代わりに、懐から小さな黒い石を取り出した。


「今日はこれで十分だ。」


カイルが叫ぶ。


「待て!」


男が石を握り潰す。


パキン!


黒い煙が男の身体を包む。


「次に会う時には――」


「お前は、自分が何者なのかをすべて思い出している。」


「そして、その時こそ……。」


男の姿が消える。


「魔王の力を、すべて奪う。」


静寂が戻る。


柚は拳を下ろす。


「……逃げた。」


暁が頷く。


「まただな。」


シロは自分の手を見つめていた。


「千年前の私と……同じ?」


カイルが静かに答える。


「うん。」


「そして、あの男は千年前のことを知っている。」


柚がカイルを見る。


「だったら、あいつが何者なのか調べよう。」


カイルは少し考えたあと、頷いた。


「分かった。」


「でも、その前に――。」


カイルはシロを見る。


「君には、話さなければならないことがある。」


シロが顔を上げる。


「何?」


カイルは真剣な表情で言った。


「君が千年前、最後に誰と戦ったのか。」


「その相手が――。」


カイルは言葉を止めた。


「今も生きている可能性がある。」

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