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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第六十三話 王家の秘密


「……王家が?」


柚は、ルークが持っている紙を見つめた。


そこには確かに書かれている。


『その力を奪ったのは、当時の王家である。』


暁も黙って紙を見ていた。


「今の王家と、千年前の王家は同じなのか?」


ルークが答える。


「王家の血筋自体は続いています。」


「ですが、千年前の出来事については、ほとんど記録が残っていません。」


柚は眉をひそめる。


「じゃあ、王家がシロから力と記憶を奪ったってこと?」


「まだ断定はできません。」


「ただ……。」


ルークは先ほど見つけた古い本を開く。


「王家が魔王について何かを隠していることは間違いありません。」


シロは俯いていた。


「私の記憶……。」


「王家が奪ったの?」


柚はシロの隣に立つ。


「まだ分からないよ。」


「でも、調べれば分かる。」


シロは小さく頷いた。


「うん。」


その時だった。


「その必要はない。」


低い声が響いた。


全員が振り返る。


書庫の入口に、王が立っていた。


レオンが驚く。


「陛下……。」


王はゆっくりとこちらへ歩いてくる。


そして、ルークが持つ紙を見る。


「それを見つけたのか。」


柚は王をまっすぐ見る。


「知ってたの?」


王はしばらく黙っていた。


やがて、静かに答える。


「……すべてではない。」


「だが、魔王に関する王家の記録が隠されていることは知っていた。」


柚の表情が険しくなる。


「どうして隠したの?」


王は答えなかった。


シロが一歩前へ出る。


「私は……何者なの?」


王はシロを見る。


その目には、驚きと迷いが浮かんでいた。


「お前は魔王だ。」


「それは間違いない。」


「でも……。」


王は言葉を止める。


「お前が世界を滅ぼす存在ではないことも、私は知っている。」


柚が息をのむ。


「じゃあ、やっぱり……。」


王は首を横に振る。


「だからこそ、話さなければならない。」


王は書庫の奥へ視線を向ける。


「千年前。」


「当時の王家は、魔王と戦った。」


シロが黙って聞いている。


「だが――」


王は拳を握った。


「魔王は、人間と戦うために力を使ったのではなかった。」


「人間を守るために戦っていた。」


暁が尋ねる。


「それなのに、なぜ封印した?」


王は目を伏せた。


「恐れたのだ。」


「魔王の力を。」


「そして、その力を自分たちのものにしようとした。」


柚は拳を握る。


「……最低。」


王は否定しなかった。


「その結果、魔王は力と記憶を奪われた。」


「そして、その封印を守る役目が王家に残された。」


シロの目に涙が浮かぶ。


「じゃあ……。」


「私は、ずっと王家に封印されていたの?」


王は静かに頷いた。


「そうだ。」


その瞬間。


シロの胸元が淡く光った。


「……え?」


光は少しずつ強くなっていく。


そして、シロの頭の中に――


また一つ、記憶が浮かび始めた。

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