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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第三十九話 結晶の中


ゴゴゴゴゴ……。


森全体が激しく揺れ始めた。


黒い結晶は赤黒く脈打ち、その表面に無数のひびが走る。


「結晶が……!」


レオンが剣を構える。


ルークは首を横に振った。


「違います。」


「あれは壊れているのではありません。」


「中から何かが出てきます!」


次の瞬間。


バキィィィン!!


黒い結晶が内側から砕け散った。


黒い霧が森中へ広がる。


その中心に、一人の少女が立っていた。


年齢は柚たちと同じくらい。


腰まで届く銀色の髪。


漆黒のローブ。


そして、紅い瞳が静かに柚たちを見つめている。


「……人?」


柚が思わず呟く。


少女は何も話さない。


ただ静かに立っているだけだった。


すると、二体の黒い魔獣が少女の前まで歩み寄り、ゆっくりと頭を下げる。


まるで主へ忠誠を誓うように。


レオンの表情が強張る。


「魔獣が……従っている?」


ルークは少女を見つめたまま、小さく息をのんだ。


「……間違いありません。」


「古文書に記されていた特徴と一致しています。」


レオンがルークを見る。


「知っているのですか。」


ルークはゆっくりと頷いた。


「銀色の髪。」


「紅い瞳。」


「強大な魔力。」


「そして、魔獣を従える存在。」


ルークは震える声で告げた。


「彼女が――魔王です。」


その言葉に、騎士たちは一斉に剣を構えた。


森の空気が張り詰める。


しかし、少女は驚いたように目を瞬かせた。


「……魔王?」


自分を指差し、小さく首をかしげる。


「それが、私?」


その反応に、その場の全員が息をのむ。


柚は少女をじっと見つめた。


「なんか。」


「思ってた魔王と違う。」


暁も少女から目を離さず、小さく呟く。


「少なくとも。」


「敵意は感じない。」


その瞬間。


二体の黒い魔獣が低く唸り声を上げた。


「ガアアアアアッ!!」


少女は振り返る。


「だめ。」


静かな一言だった。


しかし、その声を聞いた二体の魔獣はぴたりと動きを止めた。

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