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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第三話 城って、でけぇな


「こちらです。」


アルベルトの案内で、柚と暁は森を抜けた。


しばらく歩くと、巨大な石造りの城が姿を現す。


「……でっか。」


柚は思わず足を止めた。


隣で暁も城を見上げる。


「本当に城だ。」


高くそびえる城壁。


空へ伸びる何本もの塔。


重厚な門の前には、鎧を身にまとった兵士たちが立っている。


日本では絶対に見ることのない景色だった。


「こんなの掃除するだけで一日終わりそう。」


「多分、一日じゃ終わらない。」


二人のやり取りに、アルベルトは思わず笑みをこぼした。


「そのような感想をいただいたのは初めてです。」


やがて城門がゆっくりと開く。


「領主様がお戻りです!」


兵士たちが一斉に駆け寄ってきた。


しかし、アルベルトの姿を見るなり表情が変わる。


「領主様!」


「お怪我を……!」


「リリア様まで!」


リリアは慌てる兵士たちへ笑顔を向けた。


「私は大丈夫です!」


それでも兵士たちの不安は消えない。


アルベルトは落ち着いた口調で告げた。


「心配には及びません。命に別状はありません。」


兵士たちは安堵したように息をつく。


だが、その直後。


「森で高ランク魔獣に遭遇しました。」


その一言で空気が凍りついた。


「高ランク魔獣……?」


「まさか……。」


一人の兵士が青ざめた顔で尋ねる。


「ど、どうやってお戻りになられたのですか?」


アルベルトは静かに柚と暁へ目を向けた。


「このお二人に助けていただきました。」


兵士たちの視線が一斉に二人へ集まる。


見慣れない服を着た少年と少女。


どう見てもまだ若い。


「このお二人が……?」


「信じられない……。」


アルベルトは静かに頷く。


「私も最初は信じられませんでした。」


兵士たちは息をのむ。


「このお二人は、高ランク魔獣を素手で倒してくださいました。」


一瞬、誰も言葉を発せなかった。


「素手で……?」


「武器も使わずに?」


「まさか魔法を……。」


アルベルトは首を横に振る。


「魔法も使っておりません。」


「私がこの目で見ました。拳と蹴りだけで、高ランク魔獣を倒したのです。」


兵士たちは改めて二人を見つめた。


どう見ても普通の少年少女。


だが、領主がここまで断言する以上、疑うこともできない。


柚はそんな視線に気付き、暁へ小声で話しかける。


「なんか、めっちゃ見られてる。」


「そりゃ見る。」


「なんで?」


「普通じゃないから。」


「あたしたち?」


「うん。」


柚は納得できないまま首をかしげた。


アルベルトは兵士たちへ向き直る。


「お二人は私たち親子の命の恩人です。」


「どうか失礼のないよう、お迎えしてください。」


「はっ!」


兵士たちは一斉に頭を下げた。


◇ ◇ ◇


城へ案内された二人は、用意された部屋へ通される。


扉が開いた瞬間、柚は目を丸くした。


「うわ、広っ!」


部屋の中央には大きなベッド。


ふかふかそうな絨毯。


窓からは城下町が一望できる。


「すげぇ……。」


柚はそのままベッドへ飛び込んだ。


「うわっ! ふかふか!」


ぽんぽんと跳ねる柚を見て、暁は小さく笑う。


「子ども。」


「だって気持ちいいじゃん。」


「それは分かる。」


そう言うと、暁もベッドへ腰掛ける。


「……ほんとだ。」


「でしょ?」


二人が笑っていると、部屋の扉が静かに叩かれた。


コンコン。


「失礼いたします。」


入ってきたのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。


「私はメイド長のエマと申します。」


エマは丁寧に一礼する。


「お食事の準備が整いました。アルベルト様がお待ちですので、ご案内いたします。」


「ご飯!」


柚は勢いよく立ち上がった。


「行こ、暁!」


「うん。」


二人はエマの後に続き、初めての異世界の食事へ向かうのだった。

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