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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第二十九話 国王の願い


「歓迎しよう。」


「異世界から来た若者たちよ。」


国王の言葉に、柚は目を丸くした。


「知ってたんだ。」


国王は静かに頷く。


「レオンから報告は受けている。」


「それに、ルークからも話を聞いた。」


ルークは一歩前へ出て頭を下げた。


「勝手なことをして申し訳ありません。」


「構わぬ。」


国王は穏やかに言った。


「異世界に関する知識は、お前が最も詳しい。」


そう言うと、柚と暁へ視線を向ける。


「まずは礼を言わせてほしい。」


「アルベルトの命を救い、ワイバーンまで討伐したこと、心から感謝する。」


国王が頭を下げる。


その場にいた騎士や大臣たちは驚きに目を見開いた。


国王自ら頭を下げるなど、滅多にあることではない。


柚は慌てて手を振る。


「いやいや!」


「そんな大したことじゃないから!」


「そうです。」


暁も続ける。


「目の前で襲われていたので助けただけです。」


国王は小さく笑った。


「その『助けただけ』で、多くの命が救われたのだ。」


部屋が静まり返る。


やがて国王は表情を引き締めた。


「実は、お前たちに頼みたいことがある。」


柚と暁は顔を見合わせる。


「頼み?」


「うむ。」


国王は玉座から立ち上がった。


「最近、この国では魔獣の動きが活発になっている。」


「ワイバーンが人里近くまで現れたのも、その一つだ。」


レオンも神妙な表情で頷く。


「以前では考えられないことです。」


国王は続ける。


「原因はまだ分かっていない。」


「しかし、このままでは各地に被害が広がるだろう。」


柚は真っ直ぐ国王を見た。


「それで?」


「原因を調べてほしい。」


国王ははっきりと言った。


「もちろん、無理にとは言わぬ。」


「異世界から来たお前たちに、この国を救う義務はない。」


「断っても構わない。」


部屋の視線が二人へ集まる。


柚は少し考え、暁を見る。


「どうする?」


暁は迷わず答えた。


「困ってる人がいる。」


「だったら助ける。」


その言葉を聞き、柚は笑顔で頷いた。


「じゃあ決まり!」


「その依頼、受けるよ!」


国王の表情が少し和らぐ。


「ありがとう。」


「心から感謝する。」


しかし、その時。


ルークが静かに口を開いた。


「陛下。」


「一つ、お伝えしなければならないことがあります。」


その場の空気が再び引き締まる。


「今回の件……。」


「ただ魔獣が増えているだけではないかもしれません。」

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