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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第二十五話 黒いローブの男


馬車は街道を進み続ける。


盗賊を衛兵へ引き渡した後、一行は再び王都を目指していた。


夕日が山の向こうへ沈み始める頃。


「今日はこの辺りで野営にしましょう。」


レオンが馬車を止めた。


近くには小さな川が流れ、開けた場所になっている。


騎士たちは手際よく火を起こし、夕食の準備を始めた。


柚は薪を見ながら呟く。


「キャンプみたい。」


「日本ではあまりやらなかった。」


暁が答える。


「虫が多いし。」


「それ。」


二人のやり取りに、騎士たちは小さく笑った。


夕食を終え、それぞれが休み始める。


その時だった。


「……暁。」


「気付いた。」


二人は同時に森の方を見る。


レオンも異変に気付き、剣へ手を掛けた。


「どうしました?」


暁は森の奥を見つめたまま答える。


「誰かいる。」


騎士たちが一斉に立ち上がる。


「誰だ!」


レオンが鋭く叫ぶ。


しばらくの静寂。


やがて。


ガサッ。


木陰から、一人の男が姿を現した。


全身を黒いローブで包み、深くフードを被っている。


顔はほとんど見えない。


「こんばんは。」


低く落ち着いた声だった。


レオンは剣を抜く。


「何者だ。」


男は小さく笑う。


「怪しい者ではありません。」


「いや。」


柚が即座に首を横に振る。


「めちゃくちゃ怪しい。」


騎士たちが思わず吹き出しそうになる。


男は一瞬だけ言葉を失った。


「……確かに、この格好ではそう見えますね。」


そう言うと、男はゆっくりとフードを下ろした。


現れたのは二十代半ばほどの青年。


整った顔立ちに、穏やかな笑みを浮かべている。


「初めまして。」


「私はルークと申します。」


「旅の魔法使いです。」


「旅?」


柚が首をかしげる。


「はい。」


「各地を巡りながら魔法の研究をしています。」


レオンは警戒を解かない。


「それで、何の用だ。」


ルークは真っ直ぐ柚と暁を見た。


「お二人に興味がありまして。」


「ワイバーンを倒した冒険者。」


「そして……。」


少しだけ目を細める。


「異世界から来たお二人に。」


その場の空気が、一瞬で凍りついた。

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