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異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


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第十二話 ゴブリンの群れ


ガサガサガサッ――。


森の奥から、次々と足音が近付いてくる。


一つや二つではない。


「……多いね。」


柚が足音のする方へ目を向ける。


暁は静かに頷いた。


「囲まれてる。」


その直後。


茂みからゴブリンが次々と姿を現した。


一匹。


二匹。


三匹。


数はあっという間に二十匹を超える。


「ギャァァァッ!」


一斉に雄叫びを上げるゴブリンたち。


アルベルトの表情が険しくなった。


「こんな数……。」


「依頼には五匹程度と書かれていたはずです。」


「群れが合流したのでしょうか……。」


柚は目の前のゴブリンたちを見回し、少し嬉しそうに笑った。


「さっきより多い。」


「ちょうどよかった。」


アルベルトは慌てて声を上げる。


「柚さん!」


「さすがにこの数は危険です!」


「一度引きましょう!」


柚は首をかしげた。


「逃げるの?」


「はい!」


「無理をする必要はありません!」


その横で、暁が静かに口を開く。


「大丈夫。」


「え?」


「柚なら。」


アルベルトは思わず暁を見る。


そこには焦りなどまったくなかった。


柚も笑顔で振り返る。


「すぐ終わるから待ってて。」


そう言い残すと、ゴブリンの群れへ向かって歩き出した。


「ギャァァッ!」


最初の一匹が飛びかかる。


柚はその腕を掴むと、軽々と持ち上げた。


「よいしょ。」


ブンッ!!


振り回して投げ飛ばす。


吹き飛んだゴブリンが仲間を巻き込み、五匹まとめて地面を転がった。


「ギャァァッ!」


別方向から三匹が襲いかかる。


柚は振り返りざまに回し蹴り。


ドゴォッ!


三匹まとめて吹き飛ぶ。


「あと何匹?」


周囲を見回す柚。


残ったゴブリンたちは、仲間が次々に倒される様子を見て動きを止めていた。


「ギ……。」


「ギギ……。」


武器を握る手が震えている。


柚は首をかしげた。


「来ないの?」


その瞬間。


一匹のゴブリンが悲鳴のような声を上げた。


「ギャアアアッ!」


一斉に背を向け、森の奥へ逃げ出していく。


「あっ、逃げた。」


柚は追いかけようとした。


だが、暁が肩に手を置く。


「もういい。」


「なんで?」


「依頼は討伐。」


「追いかける必要はない。」


柚は少し考えて頷いた。


「そっか。」


アルベルトは力が抜けたようにその場へ座り込む。


「まさか……。」


「群れを追い払ってしまうとは……。」


その時だった。


森の奥から、地面を揺らすような重い足音が響く。


ドシン。


ドシン。


ドシン。


さっきまで逃げていたゴブリンたちが、その足音に怯えるようにさらに奥へ逃げていく。


暁が目を細めた。


「来る。」


柚も笑みを浮かべる。


「今度は強そう。」


木々をなぎ倒しながら、巨大な影が姿を現した。

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