009
「いらっしゃ、あっ!川村さん、本当に来てくれたんですねっ!」
「こんばんは、来ちゃい、ました」
「えへへ、やったぁ」
なんなんだろうか。
これが彼女の接客術なのだろうか。
だとしたらまんまと術中にどハマりだな。
この子がシフトに入ってる時は本当に毎日来てしまうぞ。
……いや、まて、まるてストーカーじゃないか。
落ち着け、毎日来ても買うものなんてないんだぞ。
「昨日約束しましたもんね」
「その約束を守って……嬉しいです」
「い、いえ、小泉さんが本当は欲しかったものを譲ってもらえたわけですから当然ですよ!」
「ありがとう、ございます……」
な、なんで少し照れているんだ。
こっちまで照れて……
あーもう暑い、絶対顔真っ赤だぞ。
「あっ、それで、本当に美味しかったんですよ、教えて貰えてよかったです」
「いいなぁ、今日はもう売り切れちゃったんです……」
「じゃあまだ買えてないんですね」
「はい、人気商品だから、来た時にはもうなくて……残念です」
「やっぱり……じゃあ昨日のはプレゼントするべきでしたね」
「へ?プレ?いや、そんなの貰うわけにいきませんよ!貰う理由ないですから!」
「そ、そうですか?」
「はい、そうですそうです!」
「そう、ですか……」
はぁ、上手くいかないな。
お礼になにかしてあげたかったのに。
「今日は何か買っていかれますか?」
「折角だから何か買いましょう、来て帰る、じゃ悪いですし」
「え、そんなの気にしなくても大丈夫ですよ!お話しに来てって言ったのは私ですし!」
「そういう訳には……あ、そうだ!アイス食べたくなりました!」
「え、ずるい!川村さんずるいですよ~私もアイス食べたいです!」
「じゃ、じゃあ、買いません!」
「なんでですか~!もー、なんか変ですよ?」
「へ、変、ですか?」
「ぷっ、あははは、なんで川村さんが焦っちゃうんですか~。川村さんって優しくて真面目そうなのに、面白いんですね!」
「いや、そんな……言われたことないですよ」
なんて可愛い笑顔なんだろう。
俺が人を笑わせるなんていつぶりだろうか。
何かしてあげたいな。
何をしてあげればいいんだろう。
こういう時に少女漫画だと、どんなことしてたんだっけな。
「いいなぁ、アイス、私も食べたいです」
「アイス好きなんですか?」
「はい、大好きです!」
「じゃあ今度一緒に美味しいアイス、食べに行きませんか?」
「え?ほんと?いいんですか?美味しいアイス屋さん知ってるんですか?」
「はい、この前見つけたんです。小泉さんと一緒に行きたいなって思ってて」
「ほ、本当ですか?行きたいです……」
「行きましょうか」
「……はい、ぜひ!」
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
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ドタバタ?コメディです。




