010
「川村、さん?」
「は、はい!」
しまった、また別次元に飛んでたぞ。
俺がそんなライトに女性を誘えるわけないだろ。
……虚しすぎる。
「なにかありましたか?」
「い、いえ、なんでもないんです!小泉さんはどんなアイスが好きなんですか?」
「私はバニラが好きなんで、このアイス気になってるんです!」
「あ、美味しそうですね」
「そうなんです!これも新作なんで気になってるやつなんです~」
「でもそれを買ったら、また小泉さんに悪いですよね」
「えー、そんなことないですよ!ぜひぜひ食べて、また感想聞かせて欲しいです!」
「じゃあ買ってみようかな」
「わ、いいなぁ、私も食べたいです!」
「あ、あはは、そうですね……じゃあこれをお願いします」
「お買上げありがとうございます!」
一緒に食べますか?
そう言えたら何か変わるのだろうか。
俺はなんで言えないのだろうか。
相手が女子高生だからか?
そんなのただの言い訳だろう。
小泉さんに言えないのは当たり前だが、他の女性にも絶対言えないんだろうな。
アイス……か。
食べたいなんて思ってないんだがなぁ。
冷めたいな。
はぁ、寒い。
また感想聞かせて、か。
小泉さんに会いに行く理由が増えた。
それだけでいいだろ。
今日も元気をもらえたんだ。
また明日から頑張ろう。
「川村さん、学生の方がいらしています。海野さんという女性です。学生インタビューの方だそうですよ」
「わかりました。池谷さん、ありがとうございます」
「とっっっても美人さんですね。どうやって見つけたんですか?」
「美人って……否定はしませんが、たまたまですよ?向こうからの自薦です」
「ふーん、否定しないんですね?これはカフェの新作ラテだけでは許されませんよ?」
「また、池谷さんはなんですぐ私に奢らせようとするんですか……」
「川村さんが意地悪するからです~」
「私はそんなことしてませんよ?では行きますね」
「むぅ、困った川村さんです」
何に困ってるんだ?
毎度毎度、意味の分からない事で奢ってと言われる俺の方が困るんだが……
「お待たせしました」
「こんにちは川村さん。早速お伺いさせていただきました」
「丁寧にありがとうございます。お掛けください」
「はい、ありがとうございます」
「資料をお持ちしましたが、海野さんは何か特技とか、在学中に力を入れてることとかございますか?」
「えっと、私は特技とかなくて……」
「そうなんですね」
「はい、ダメでしょうか」
「いえいえ、そんなことございませんよ」
「良かった……私、これといった特徴がなくて。だから、その、少し自分を変えたいって思ったんです」
こんなに美人なのに、悩みがあったりするんだな。
このインタビューでこの子の何かが変わるかは分からないけど、いいきっかけになるように頑張ろう。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
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ドタバタ?コメディです。




