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男の独白
頭が痛い。目の前が見えない。両手で頭を抑えるが、私の手には何も感じない。
だが、———頭の痛みは治らない。
私にいったい、何が起こっている!?
もしや、私は———『燃えているのか!?』
男は自分の頭が燃えていることを理解したが、〝炎〟による〝熱い〟と言う感覚が久しぶりのものだったので、現状を把握することに若干の時間を要した。
ありえない!ありえない!!ありえない!!!
私が燃えている!?そんなのあり得ない!!
いや、考えろ。〝私が燃えること〟それが、あり得る可能性———それは、私自身の能力によるものだが、〝私自身の炎〟は理由は不明だが、能力を封じられていて、今は行使できない状況だ。
男は自滅覚悟で、自身の右足が豪炎に包まれる出力で、右足に能力をかけようとする。だが———不発だ。
能力は依然として、封じられていると見て間違いない。
では、私は何故、燃えている!?
時間が無い。この状況を解明して危機を脱しなければ。
男は痛みの中で、考えを巡らせる———自らの脳が完全に焼かれる前に。
全力で脳を回転させる。自らの頭が燃えていることなど、意に介さないほどに。
その結果、男は一つの考えに至る。
『もしや———〝能力の誘発〟!?』
…ザスッ…………コロコロコロ
それが、男の最後の見識となった。




