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第三十六話「二回目の出撃」

「待ってください! 危険すぎます!」


 俺が船内を歩いていると後ろから緋乃が悲鳴のような声をあげてくる。


 俺達は今、航宙艦の中にあった機甲鎧の格納庫にいた。客室で緋乃に艦長と連絡をとってもらった俺は、格納庫に予備の御手型機甲鎧が一体あることを聞くと、それに乗って出撃する許可をもらってここに来たのだった。


 艦長は最初、俺が出撃することを断固として反対していたのだったが、神霊の青火姫の口調となったアオが言うと渋々と許可をくれたのだ。……やっぱりアオって天文帝国で最強クラスの権力を持っているんだな。


「なにも青火姫様と日善様が出なくても。戦力が必要なら私が出ます! 動かすくらいなら私だってできます」


 緋乃がしつこく俺達を止めようとする。


 いや、その……動かすだけでは意味がないですから。俺とアオだったら神器の弓矢で援護ができますから。


「………っ!」


 俺が言うと緋乃は悔しさで顔を真っ赤にして押し黙る。……少し言いすぎたかな?


「で、でしたらせめて宇宙服を着てください! そのまま出撃してもし機甲鎧が被弾したら……」


「ああ、それは大丈夫。カズトは私が守るから。ZINでカズトの体を覆ったら宇宙空間でも一時間くらいは平気だよ」


 緋乃の意見にアオが答える。


 え? 俺って宇宙空間で活動できるの?


「うん、できるよ。機甲鎧を動かすより大量のZINを使って私も疲れるからあまりやりたくないけどね」


 何というか凄いな。そんなこともできるのか神霊って。


「まあ、私の考えが正しかったらそこまで大事にはならないと思うけどね」


 どういうことだ? アオ?


「ううん。こっちの話。それで緋乃? これだったら文句はないでしょ?」


「文句というわけではないのですが……御武運を祈ります」


 ええ、行ってきます。


 緋乃に答えた後、俺とアオは機甲鎧の操縦席に乗り込むと、絶対操作能力を使って意識を機甲鎧と同化させる。するとそれを確認した航宙艦の乗組員達が周囲の機械を操作して、俺達が乗る機甲鎧を航宙艦の外に出す。


「それにしても意外だよね。あんなに侍になるのを嫌がっていたカズトが自分から出撃するなんて」


 機甲鎧が航宙艦の外に出るまでの間にアオが話しかけてくる。


 別に意外でもないだろ? ……確かに義父さんが生きていたら俺が機甲鎧に乗ることにいい顔をしなかったと思うけど、世話になった人の危険を見過ごしたらもっといい顔をしないと思うからな。


「ふぅん。……カズトってばお義父さんが本当に好きなんだね」


 ……尊敬はしている。それより外に出るぞ、アオ。


 ゴゥン。


 話している間に俺達が乗る機甲鎧は航宙艦の外に出て、俺は機甲鎧を操作して戦場へと飛び立った。

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