第二十六話「見せ物?」
『先日、学園都市惑星ミチマサに神霊を体に宿した人物が現れた事が分かりました! その方の名前は日善カズト様! 神霊の青火姫様と契約をなされた新たなる英雄です!』
……また俺のニュースが流れている。
高層ビルの屋上に建つ非常識な豪邸の居間でテレビを見ていたら俺のことを報道しているニュース番組が映り、一気に気が滅入った。
この宿泊施設で暮らすようになってからもう三日が経つ。
ここでの生活は、最初こそ驚いたし外出することはできないという決まりはあるが、とても快適だった。出される食事は今まで食べたことがないくらい美味しかったし、宿泊施設の中には映画館を初めとする様々な娯楽施設が揃っていて、その全てが貸し切り。これが快適でないはずがない。
ただ一つ難点をあげるとすれば、たまに会う使用人の人達の視線が気になることだろうか? なんていうか全員が尊敬と好奇が入り交じった視線を向けてきて落ち着かないんだよな。まるで見せ物になった気分だ。
昼食を済ませた後、豪邸の居間でテレビを見ようと電源を入れるといきなり俺のニュースが流れて、豪華な昼食で浮かれた心が一気に沈んだ気分だ。
いや、まあ、世間が浮かれるのは分かるよ? 神霊を宿した侍が天文帝国でも特別だからさ。
でも俺の幼年学校の頃の先生や元同級生にインタビューするのは止めてくれ。先生や元同級生も誇らしげに俺のことを話してくれるな。
それと俺が幼年学校に書いた作文を公開するのはマジで止めろ。いい加減訴えるぞ。というか、俺が悪霊獣と戦った日からまだ三日しか経っていないのによくそこまで調べたな?
まったく本当に見せ物になった気分だ。
『侍となれば日善カズト様は神鳴寺機甲鎧戦術教導院に転入することとなるでしょう』
俺が侍か……。義父さんとの約束、破ってしまったな……。
「……カズト」
テレビを見ていると珍しく落ち込んだ様子のアオが姿を表した。
アオ?
「その、カズト? 怒っている? 勝手に貴方の体に宿ったこと……。私が宿ったせいでカズトはお義父さんとの約束を破っちゃったんでしょ?」
なるほど。どうやらアオは今のこの状況を作ったのが自分だと責任を感じているわけだ。
いや、あの時アオの力を借りたのも、機甲鎧に乗って悪霊獣と戦ったのも、自分で決めたことだ。だからアオが気にすることはないって。
「……ホント?」
ああ、本当だ。
俺がそう言うとアオは元気を取り戻して笑顔を浮かべてくれた。
「うん。ありがとう、カズト。……でも覚えておいてね。私とカズトは一心同体。これから先、どんなに大変なことがあっても私が味方だからね」
分かったよ。ありがとう、アオ。




