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HAMBURGER BLUES  作者: ハンバーガーブルース


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HAMBURGER BLUES第24話 第一幕 ストロボスニーカーの女王と 止まらない昼営業

HAMBURGER BLUES第24話 第一幕             ストロボスニーカーの女王と 止まらない昼営業




AM11:27


Wagyu Burger


開店からまだ二十七分。


なのに。


店内。


満席。


テラス。


満席。


立ち食い客。


二十三名。


入口。


行列。


厨房。


地獄。


beem


「肉だァァァァァ!!!!!!


次ァァァ!!!!!


トリプル和牛二枚追加ァァァ!!!!!!」


Walker


「待て待て待て待て。


この客数は物理的におかしい。


観測上、


昼営業の事象密度が通常土曜日の4.8倍になってる」


cool


「ジントニック七。


ブラックラム三。


テキーラ二。


……誰だ、


昼からテキーラ頼んでる狂人」



「俺だァァァァァ!!!!!」


cool


「帰れ」


ギャルA


「ねぇcoolくん♡


今日終わったら飲み行こ♡」


cool


「忙しい」


ギャルB


「好きです」


cool


「そう」


ギャルC


「結婚してください」


cool


「無理」


Walker


「逆ナン成功率93%


失敗率100%


量子重ね合わせ恋愛状態だな」


cool


「うるさい」


その瞬間。


入口の自動ドアが開く。


ピカッ。


ピカピカッ。


ピカーーーーーーッ!!!!


客全員。


振り向く。


老人


「なんじゃァァァ!!!!


太陽かァァァ!!!!」


子供


「目がァァァァ!!!!」


配達員


「信号機来たぞ!!!!!」


bads


「うるせぇよ!!!!!!


新作だバカ共!!!!!」


今日のbads。


珍しく。


Wagyu Burger


ヴィンテージスタッフTシャツ。


九十年前、


初代店舗で使われていた幻の復刻版。


サイズは極端に短い。


原色ピンクと黄色のストライプミニスカート。


足元。


アンドロメダブルー。


ソール全体がストロボ発光する、


超違法級スニーカー。


歩くだけで眩しい。


歩くだけで迷惑。


歩くだけで空間認識が狂う。


首。


両耳。


鼻。


手首。


足首。


古代惑星ジュエリー。


総重量四キロ。


客。


直視できない。


サラリーマン


「美しすぎて怖ぇ……」


老人


「神話生物じゃ……」


配達員


「俺、


今日仕事辞めるかもしれん」


bads


「おい。


髪型どうだコラ」


全員


「今それどころじゃねぇ!!!!!」


今日の髪。


左右非対称。


右側。


極細編み込み。


左側。


銀河パーマ。


毛先。


青からピンクへのグラデーション。


頭頂部だけ、


黄色のメッシュ。


bads


「The Adictsの最新だぞ。


黒城にまだ三人しかいねぇんだぞ。


感想言えや」


beem


「肉焼いてる!!!!!」


Walker


「色彩情報量が多すぎて、


観測者側の脳が処理を拒否してる」


cool


「ストロボ切れ」


bads


「絶対切らねぇ!!!!!!」


Noah。


一人だけ冷静。


「注文整理しました。


テーブル7。


追加バーガー三。


テイクアウト五。


Uber二件。


あと、


老人が二人、


ストロボで軽く酔ってます」


bads


「知らねぇよ!!!!」


Noah


「あと、


冷蔵庫のピクルス残量が危険域です」


beem


「何ィィィ!!!!!!


ピクルス切れは文明崩壊だぞ!!!!」


Walker


「安心しろ。


文明はだいたい別の理由で滅びる」


その時。


常連客。


ベラ地区鍛冶屋組合会長。


ゴンザレス親父。


ドン!!!!!!


金貨袋を置く。


店内。


静まる。


ゴンザレス


「お前ら。


勝負しろ」


beem


「……あ?」


Walker


「来たな」


cool


「面倒臭い」


bads


「何賭けんだコラ」


ゴンザレス。


ニヤリ。


金貨。


三千枚。


ドサァァァァァァン!!!!!!


客。


大歓声。


「キタァァァァァァ!!!!!」


「祭りだァァァァ!!!!」


「昼営業終わったァァァ!!!!!」


「仕事サボれェェェェ!!!!!」


「酒持って来い!!!!!」


ゴンザレス


「テキサスホールデムだ。


客全員。


対。


Wagyu Burger」


大歓声。


Walker。


眼鏡を上げる。


「……なるほど。


宇宙誕生から現在まで、


最も愚かな昼営業が始まるわけだ」


Noah


「受けるんですか?」


beem


「受けるに決まってんだろ!!!!!」


cool


「断る理由がない」


bads


「全員ブチ殺してやるよ」


客。


大歓声。


Walker


「よし。


簡単にルール説明だけしておこう」


店内。


静かになる。


Walker


「テキサスホールデム。


二枚の手札。


全員共通の五枚。


合計七枚から、


最強の五枚を作るゲームだ」


「ベット。


レイズ。


コール。


フォールド。


心理戦。


確率。


観測。


ブラフ。


全部入り」


「つまり、


人間が文明を築いた理由と、


滅びる理由が、


同時に存在するゲームだ」


ゴンザレス


「長ぇ!!!!!」



「始めろォォォォ!!!!!」


bads


「ぶっ潰すぞオラァァァァァ!!!!!」


Noah。


静かに紅茶を置く。


「……了解。


勝ちます」


誰もまだ知らない。


この日。


Wagyu Burger史上。


最大規模のイカサマ。


そして。


badsとNoah。


初めての共同作業が。


静かに始まろうとしていた。


――第二幕へ続く






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