表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

## 第7話 ### 「欠片を持つ者」

# 『昼間の金星、僕はそれを見つけたい!』


## 第7話


### 「欠片を持つ者」


---


森の遺跡跡。


さっきまで世界が壊れていたとは思えないほど、静かだった。


風が普通に吹いている。


鳥も鳴いている。


ただ一つ違うのは――


---


ソラの手の中で、小さな光がまだ消えていないことだった。


---


「これ……まだある」


ソラは呟く。


---


アルトが覗き込む。


「それ、さっきのヤバいやつだろ?」


「そうだよな普通捨てるやつだよな?」


---


スピカは顔を近づける。


「かわいい光だね」


「かわいいで済ませるな」


---


ベガは表情を硬くしていた。


---


「それ、絶対に持ち歩いちゃダメなやつよ」


---


ソラは驚く。


「え?」


---


ベガは声を落とす。


「王都の禁書に書いてあった」


---


「“昼間の金星の欠片”は、世界の観測装置そのもの」


---


「持つ者は“観測対象”になる」


---


ソラの背中に冷たいものが走る。


---


「観測対象って……何?」


---


そのとき。


---


パキッ。


---


空気が割れる音。


---


上空に黒い裂け目が生まれた。


---


「来たな」


低い声。


---


現れたのは――


王都の追跡部隊。


星術師たちだった。


---


「対象確認」


「少年ソラ」


「即時回収命令」


---


アルトが叫ぶ。


「え、なに急に敵!?」


---


ベガが前に出る。


「待って!彼は危険じゃない!」


---


しかし兵士は動かない。


---


「命令は絶対だ」


---


空気が張り詰める。


---


ソラは一歩後ろに下がる。


---


その瞬間。


---


ルナが小さく言った。


---


「もう……バレた」


---


ソラは振り向く。


「ルナ……?」


---


ルナは目を伏せる。


---


「その欠片を持った瞬間から」


「王都はあなたを“星の異常”として認識する」


---


ベガが震える。


「ルナ、あなた……何者なの?」


---


ルナは少しだけ笑う。


---


「私はね」


「昔、それを見た人間」


---


空気が止まる。


---


「昼間の金星を」


「ちゃんと見てしまった人間」


---


ソラの胸が締め付けられる。


---


そのとき――


---


「くだらない」


声が割り込む。


---


シリウスだった。


---


王都部隊の上に立っている。


---


「観測だの欠片だの」


「理屈が幼稚だ」


---


アルトが叫ぶ。


「またお前かよ!」


---


シリウスはソラを見る。


---


「少年」


「それを捨てろ」


---


ソラは息をのむ。


---


「なんで……」


---


シリウスは冷たく言う。


---


「それは“お前を選ぶ”」


---


「選ばれた者は、自由を失う」


---


その言葉に、ルナが反応する。


---


「違う」


---


初めて強い声。


---


シリウスはルナを見る。


---


「何が違う」


---


ルナは震えながらも言った。


---


「選ばれるんじゃない」


「“信じた者”が残るだけ」


---


静寂。


---


ソラは手の中の光を見る。


---


(信じた者……)


---


そのとき。


---


光が少しだけ強くなる。


---


そして――


---


ソラの目の前に“映像”が流れた。


---


見知らぬ空。


崩れる星。


泣いている誰か。


---


そして最後に。


---


「昼間の金星」が確かに輝いていた。


---


ソラは息を呑む。


---


「見えた……」


---


その瞬間。


---


王都部隊が動き出す。


---


「確保する!」


---


ベガが叫ぶ。


「逃げて!」


---


アルトが荷物を背負う。


「こういう時は逃げるに限る!」


---


スピカが泣きながら走る。


「もう無理ぃ!」


---


ルナはソラの横に来る。


---


「走って」


---


ソラは頷く。


---


でも最後に一度だけ振り返る。


---


シリウスは動かなかった。


---


ただ小さく呟く。


---


「その光は……お前を壊す」


---


---


## 次回予告


### 第8話


## 「追われる星」


王都から正式に追放指定を受けたソラたち。


逃亡生活の中で明かされるベガの過去。


ルナが“見てしまった昼間の金星”の真実。


そしてソラの欠片が、ついに暴走を始める。


「これは星じゃない……意志だ」


さらに追跡部隊の中に、意外な人物が現れる――


**次回、『追われる星』**


逃げるほどに、星は近づく――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ