「旅立ちの朝」
# 『昼間の金星、僕はそれを見つけたい!』
## 第3話
### 「旅立ちの朝」
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朝日が昇る。
小さな村が黄金色に染まっていた。
ソラは眠れなかった。
昨夜のことを何度も思い出していたからだ。
ルナとの出会い。
昼間の金星を探している少女。
そして――
王都から届いた一通の手紙。
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ベガは広場で待っていた。
「来たわね」
「うん」
ソラはうなずく。
ベガは古びた地図を広げた。
そこには王国の北にある場所が記されていた。
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【星降りの遺跡】
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「ここに昼間の金星についての記録が残されているかもしれない」
「本当に?」
「王都の図書館で見つけた古文書よ」
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ソラの胸が高鳴る。
夢に近づいている気がした。
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しかし。
問題があった。
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「ダメだ」
父は即答した。
「えぇぇぇ!?」
ソラは叫ぶ。
母も腕を組んでいた。
「危険です」
「でも!」
「ダメなものはダメ」
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完全敗北。
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夕方。
ソラはしょんぼりして丘にいた。
そこへアルトが現れる。
大きな荷物を背負っている。
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「何それ」
「旅の弁当」
「まだ旅に出られるか決まってないぞ」
「出る前提だ!」
「なんでだよ!」
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アルトは胸を張った。
「友達が夢を追うんだ」
「なら俺も行く」
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ソラは少し笑った。
アルトはいつもこうだった。
難しい理屈は言わない。
だけど誰よりも頼りになる。
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そこへスピカも現れた。
「私も行く!」
「なんで!?」
「恋愛観察!」
「帰れ!」
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スピカは頬を膨らませた。
「ベガさんとルナさんいるじゃん」
「絶対面白い!」
「面白がるな!」
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三人は大笑いした。
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その夜。
ソラは家の外へ出た。
すると父が待っていた。
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「……お前」
「うん」
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しばらく沈黙。
風が吹く。
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父が空を見上げる。
「実はな」
「俺も若い頃」
「昼間の金星を探したことがある」
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ソラは目を見開いた。
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「え?」
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「見つからなかった」
父は苦笑した。
「怖くなって諦めた」
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静かな夜だった。
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「だから」
父は言う。
「お前には後悔してほしくない」
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ソラの目が潤む。
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「行ってこい」
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その言葉だけで十分だった。
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翌朝。
村の入口。
ベガ。
アルト。
スピカ。
そしてソラ。
みんな荷物を持っていた。
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「本当に行くのね」
ベガが言う。
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「うん」
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ソラは振り返る。
育った村。
家。
家族。
全部見える。
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でも。
今は前を向く。
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そのとき。
遠くから声がした。
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「待って!」
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走ってきたのはルナだった。
息を切らしている。
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「私も行く」
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みんなが驚く。
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ルナは少し照れながら言った。
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「一人じゃ見つけられそうにないから」
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ソラは笑った。
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「じゃあ一緒に探そう」
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ルナも笑った。
本当に少しだけ。
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「うん」
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こうして。
昼間の金星を探す旅が始まった。
誰も知らない。
この旅が、
世界の秘密に繋がっていることを。
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## キャラクターの口癖
### ソラ
「たぶん、まだ見えてないだけだ」
### ベガ
「星は嘘をつかないわ」
### アルト
「腹が減っては冒険できん!」
### スピカ
「それ絶対恋だって!」
### ルナ
「見えないものほど大切なの」
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# 次回予告
## 第4話
### 「笑わない少女」
旅の初日。
森で野宿することになったソラたち。
しかしルナはなぜかみんなと距離を取る。
笑わない。
食事もしない。
一人で夜空を見上げるだけ。
そんな彼女を見たソラは――。
そして深夜。
森に現れる謎の魔物。
そのときルナの隠された力が目を覚ます!
**次回、『笑わない少女』**
「見えないものほど大切なの」
その言葉に隠された意味が少しずつ明らかになる――。




