第5話 戦闘
第5話 戦闘
王宮の北に位置する森は、それほど広いものではなく、前世でいう所の野球場十個分といった所か。
それでも森の中は、うっそうと木々が生い茂り、視界を悪いものとしている。
索敵スキルを使いながら、木々をかき分けつつ進むと、前方に豚の魔物オークが出現しているのが確認できた。
「オークが来るわ。私一人でやってみるから、みんな見ていて」
さあ、初めての戦闘だ。
私は、女神様の教えの通り、スロー・タイムを発動した。
それと共に時の流れが緩慢になる。
その中でも私は普通に動ける!
しかも身体が軽い!
オークに近づいていく。
剣で攻撃するときは、刃を合わせないといけないのよね。
オークの前まで来ると、刃の向きに気をつけながら、思い切って斬りつけた。
当たった!
オークは切り裂かれ、大量の血液が噴き出している。
それを避けながら、もう一匹を確認した。
こちらに斬りかかってきている。
でもその動きは遅いから、問題ない。
横に避けながら、火球の呪文を無詠唱で発動した。
突然出現した火球の魔法に、驚く暇もなくオークは炎に包まれた。
あれなら、攻撃を仕掛けてこないわね。
そう確認した後、さっき剣で攻撃したオークに対峙し、もう一度斬撃を加え、とどめを刺した。
その間に、魔法の炎に包まれていたオークは倒れ、動かなくなった。
死んでいるのは明らかである。
「やったわ!」私は嬉しくなって、みんなの元に駆け戻った。
すると三人は、片膝をついて、頭を垂れた。
「勇者様、先ほどまでのご無礼の数々、お許し願えますでしょうか」
「まさかレベル1で、いや、初めての戦闘であのように立ち回られるとは、驚きを隠せません」とゲイリー。
「それに、火球の魔法とはいえ、無詠唱にて発動されました。ごく一部のものにしか出来ない無詠唱をこうもたやすく使われるとは…」とオリビア。
「とにかく、私たち三人は勇者様を強者と認め、付きしたがう所存です。何なりと御命令を」とイオタ。
「ありがとう。認めて貰えて嬉しいわ。まあ、とりあえず、あまりかしこまらずに今まで通り気安く接して頂戴」
「は、おおせのままに」
「んっん…、ルナ、ここはあなたには簡単すぎるわ。とっととレベル2にアップして、場所を変えてレベリングしましょう」
「そう?分かったわ」
その後、私は一人で何体ものオークやラビフィンを狩って、レベルアップしたのだった。
ルナ 魔族 13歳 女
職業 魔法剣士 職業レベル2↑
基礎ステータス
力 14↑、知性 17、信仰心 16↑、生命力 16、体力 14↑、敏捷性 17、
幸運 17、器用さ 17↑
職業スキル
火属性魔法 レベル2↑、水属性魔法 レベル1、風属性魔法 レベル1
土属性魔法 レベル1、気配察知 レベル2↑、状態異常抵抗 レベル2↑
刀剣技術 レベル2↑、瞬動 レベル1
固有スキル
時魔法 レベル2↑、魔力操作 レベル2↑、魔力吸収 レベル1
生活魔法
火属性 レベル1、水属性 レベル1、風属性 レベル1、
土属性 レベル2↑、精神属性 レベル1
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