第74話 挑戦
第74話 挑戦
ヴェリスとフェリーナはとても強く、連携も申し分なかった。
ヴェリスはニュークリア・バーストを二発分ホールドさせて、一気に爆発させ、多大なダメージを与えることができた。
フェリーナは、ヴァンパイア・ロードの浄化を成功させたばかりでなく、僧侶唯一の広範囲攻撃魔法であるホーリー・エクスプロージョンで、アンデットを蹂躙してみせた。
第四層の適性レベルは15-20と言われている。
ヴェリスだけがそのレベルの達していないが、特殊スキルの持ち主であり、十分に戦えそうだ。
「二人とも凄く強いですね、明日から第四層でレベリングをしてみませんか?」と僕。
「第四層の適性レベルは15-20ね、ヴェリスやフェリーナなら大丈夫じゃないかな」とエライザ。
「うん、ではそうしようではないか」とヴェリス。
「問題ないわ」とフェリーナ。
「じゃあ決定ですね」
*
第四層でのレベリングは、アーク・デーモン狩りで行った。
ドラゴン達よりも呪文が効きやすく、術者が増えた分、倒しやすかったからである。
前衛は、僕本体とエライザと分身体で構成し、物理攻撃力は抜群だった。
それに加えヴェリスのニュークリア・バーストや時にはホーリー・エクスプロージョンが炸裂し、アーク・デーモンを何体も倒していった。
レベリングを二日間行い、能力鑑定を行った。
僕だけは、自分で鑑定できるからと、ギルドでの鑑定は行わなかった。
エライザはレベル18、ヴェリスとフェリーナはレベル16にアップした。
「アーク・デーモンでのレベリングが、こんなにも効率的だとは思わなかった」とヴェリス。
「本当にそうですね。あー、でもヴェリスに追いつかれちゃったわ」とフェリーナ。
「悔しがらないで欲しいですな、エライザにはもっと先に行かれているじゃないか!」とヴェリス。
「私の方がこの迷宮の攻略の先輩ですからね」とエライザ。
「やっぱり三人は仲が良いんだね」と僕。
「あら、淋しいの?私が慰めてあげましょうか?」とフェリーナ。
「フェリーナ、あなた何を言っているの?レンがそんなのことを望むはずがないじゃない」
「うーん、レン君はモテるのですね」
「!!そんなのじゃ無いわ」とエライザ。
「エライザはそうなの?私はそうかもよ?」
「もう、エライザもフェリーナも冗談はよしてください」
「ところで、明日は第五層に挑戦してみますか?」と僕。
「確かにアーク・デーモンでは物足りなくなってきたな」とヴェリス。
「私はかまわないわよ」とエライザ。
「そうね…、私もかまわないわ」とフェリーナ。
「じゃあ、第五層の攻略に乗り出しましょうか」
「了解」
みんなでのミーティングを終えた後、僕はこっそりとエライザの部屋に向かった。
「エライザいる?」
「レン?…入って」
部屋に入ると、エライザは満面の笑みで迎えてくれた。
「こうして二人で話すのも久しぶりね」
「そうだね。サイレススペル!」
「突然ごめんね、誰にも聞かれたくなかったから。さあ、二人の状況を共有しておこうよ」
「レンのレベルはいくつになったの?」
「今日でレベル20になったよ」
「おめでとう。私も負けてられないわね」
「うん、この依頼が終わったら、エライザのレベリングをかねて、二人でどこかの迷宮を探索しない?」
「いいわね。楽しみだわ」
「で、レン、何か特殊なスキルは発現した?」
「残念ながら、それは無かった。でもね、分身体を二体出せるようになったんだ。それにね、分身体の経験値も僕自身に貰えることが分かったんだ。秘密だよ」
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