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第69話 アーク・デーモン

第69話 アーク・デーモン

第四層の攻略の続きは、まずは北西ブロックから着手した。

北西ブロックでエンカウントするのは、ひたすらにファイア・ドラゴンであった。

ファイア・ドラゴンはフロスト・ドラゴンの炎バージョンで、ほぼフロスト・ドラゴンと同様に倒すことが出来た。

「ファイア・ドラゴンも問題ないね」

「そうね。ブレスと呪文さえ封じておけば、あまりフロスト・ドラゴンと変わりがないわ」

僕たちは、危なげなく北西ブロックを踏破し、最後のブロックである南西ブロックの攻略に移ることにした。

「事前情報が正しいとすると、このブロックに出現するのは、アーク・デーモンということになるよね」

「ええ、最高位の悪魔といっても過言ではない存在ね」

「そう。アーク・デーモンはグレーター・デーモンほど大きくなく、2m程の高さらしいよ。でも、攻撃技術が高くて、達人級の動きをするらしい。それに魔法攻撃は多彩だという話だ」

「十分に気をつけなければならない相手ね」

「いつものように、二人で一斉攻撃も良いけど、グレーター・デーモンよりは呪文が効きやすいらしいから、サイレントの魔法を唱えてみるのも良いかもしれないよ」

「どの程度の確率で魔法が効くのかがポイントね」

「そうだよね…。魔法を封じることが出来れば、後は剣技の問題だけにできるけど、あまりに確率が低いようだと、魔力と時間が無駄になるからね…」

「…まあやってみるしかないね。状況が悪くなるようなら時間を停止するよ」

僕は、分身の術を使い、分身体を一体出現させた。

「いつも思うけど、何だか二人のレンに囲まれると、うれし恥ずかしって感じね…」何やらエライザが呟いているが、よく聞こえなかった。

「じゃあ、あらかじめサイレントの呪文を唱えて、ホールドしておくわ」

「了解。…準備は良いかな?じゃあ行くよ!」

それから、何体ものアーク・デーモンを倒していったが、呪文は効いたり効かなかったり、半々といった所であった。

アーク・デーモンは確かに強敵であったが、難敵と言うほどではなく、特に窮地に陥ることなく迷宮の攻略は進んでいった。

南西ブロックの攻略もほとんど終えて、最後の部屋が残るのみとなった。

「この部屋が最後だね。ボスがいる可能性が高いから、気をつけていこう」

「サイレントの魔法は唱えずに行くわ。呪文は効きそうにないから」

「OK」

「じゃあ、ボス戦かもしれないけど、今まで通りでいこう。行くよ!」

扉を開け、僕たちは一斉に飛び込んでいった。

そこにはアーク・デーモンが一体いた。

アーク・デーモンは目を閉じていたが、僕たちが入ってくるのを感じると、刮目し、値踏みをするかのように見て、ぼそりと呟いた。

「二体だけか…」

分身の術を見抜かれている?

少しの動揺を覚えたが、その気持ちは抑え込んだ。

僕の本体は右側から、分身体は左側から、エライザは正面からそれぞれアーク・デーモンへと向かった。

僕と分身体が、エライザより少し早くアーク・デーモンまで到達し、手刀で攻撃を開始しようとした。

その時である、今まで何度か聞いた、荘厳な、あの鐘の音が聞こえた。

それと同時に時間が停止した。

僕の意識ははっきりしている。

停止した時間の中で、体は動かないが、思考は出来る。

アーク・デーモンが微笑んだ気がした。

それからアーク・デーモンが動き出す気配がした!


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