第58話 時間停止
第58話 時間停止
グレーター・デーモンの一体が、ニュークリア・バーストの呪文を詠唱し出したのを見て、強い焦りの気持ちが芽生えた。
いくら今の僕とエライザとはいえ、あの呪文は危険すぎる。
このままでは駄目だ、何とかしなければ…。
そう考えた瞬間、またあの鐘の音が、どこからともなく響いた。
それと共に時間の流れが停止した。
グレーター・デーモンの詠唱は途絶え、周囲は静止している。
僕と分身体は、動かなくなったグレーター・デーモンを手裏剣や手刀攻撃で速やかに葬り去った。
そのまま詠唱中だったグレーター・デーモンの元へ移動し、致命の一撃を加えた。
その瞬間に、時は流れはじめた。
それと共に、エライザは、メンデスがかつて使った流星剣のように、無数の突きを繰り出し、グレーター・デーモンを倒すことに成功した。
「レン!時間を停止したのね?」
「うん、何とか出来たよ」
「危険な状況に陥ったから出来たの?」
「多分…、違うと思う。実はあのとき、僕は時空間操作スキルを使ったけど、時間は停止しなかった。でもその後、分身体がさらに時空間操作スキルを使ったら、その時に時間が停止した」
「僕本体と分身体が、同時に時空間操作スキルを使ったから、時間停止したんじゃないかな…」
「それなら、いつでも時間停止を出来るって事?」
「そうかもしれない…」
「凄いわね。時間停止の中では、動けない敵は為す術がないもの…」
「試してみないと分からないけどね…」
「どのくらいの間、時間を止めておけるの?」
「まだ分からない。でも、どうしても倒しておきたい敵に致命傷を与えたときに、時が流れ出すんだ。なぜだか分からないけど…」
「いろいろ試してみないといけないわね」
「うん」
その後、何度も時間を停止することに成功した。
時間停止をしても、極端に魔力や体力を消費することもなく、悪影響はないように思えた。
また、時間を停止出来るのは、今のところは感覚的に2分ほどだった。
ただ、敵を殲滅した途端、時間の流れが再開するのは、いつも変わらなかった。
時間を停止している間は、無敵の存在になれた。
それ故に、時間停止に頼りすぎると、剣技の研鑽に支障が出る。
しかし、魔族も時間停止を収得しているかもしれない。
僕は、時間停止を最終手段として取っておき、できるだけ使用を避けることにしようと心に刻んだ。
その後、あまり危険な状況には陥ることなく、順調に第三層の攻略を進めた。
そして、第三層のボスであるケイオス・ストームを倒したときには、僕たちはレベルアップを果たしていた。
レン 人間族 15歳 男
職業 忍者 職業レベル15↑
基礎ステータス
力 20、知性 20、信仰心 20、生命力 20、体力 20、敏捷性 20、
幸運 20、器用さ 20
職業スキル
ステルス レベル10、遠見の術 レベル9↑、暗視 レベル10↑、
気配察知 レベル10、状態異常抵抗 レベル9、暗殺 レベル10、
投擲 レベル10、分身の術 レベル3↑
固有スキル
時空間操作 レベル10、魔力操作 レベル10
生活魔法
火属性 レベル9、水属性 レベル9↑、風属性 レベル8↑
土属性 レベル8↑、精神属性 レベル9↑
その他 攻撃魔法適正なし
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