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第32話 秘密

秘密を打ち明けるのは、緊張するものです。

第32話 秘密

ギルドを出た僕たちは、宿に戻って、ゆっくり休むことにした。

しばらくの間、各自の部屋でくつろいだ後、夕食を僕たちの部屋に運んでもらって、皆で食事を取りながら、ギルマスの依頼や今後のことを話すことにした。

夕食は、魚のソテーとサラダ、コーンスープにパンといったごく普通の食事だった。

「なんか普通で特徴がないと思っていたけど、このソテーは美味しいわね」

「そうなのです、バターの風味が香ばしくて、このソースとの相性が絶品なのです」

「ん、美味!」

「うん美味しいね。あー良いかな?今日は皆ご苦労様でした。今後の相談をしよう。まずこれがギルマスの依頼。…未踏の森の周辺に出現する魔物調査のようだね…、報酬もまずまず良いし、まずはこの依頼を片付けよう、良いかな?」

「何か魔物の目撃情報でもあるの?」

「特にないようだね」

「そうか…、さすがギルマスだね、ありがたいよ」

「えっどういう事?」

「あーそうだね、説明するよ」

「実は未踏の森の近くに、リーズ村という小さな村があって、そこが僕の故郷と言える場所なんだ。僕が早く両親に会いに行くように、ギルマスが気を遣って依頼してくれたんだね」

「なるほど…」

「で、丁度良い機会だから、両親のことを僕のことと絡めて話すよ」

「その前にちょっと失礼するよ、サイレススペル!」

「ふうー、緊張するな。みんな驚かずに聞いてね」

「うん」

「実はね、僕は転生者なんだ」

「えっ!」

みんな驚いて固まっているが、僕はかまわず続けた。

「この世界で初めて目覚めたとき、僕は向日葵の咲く小山の上で寝ていたんだ。

そこは、未踏の森に囲まれた所でね、異世界から転生し活躍した英雄の伝承が残っている場所だったらしい。で、目覚める以前の記憶はほとんどなく、何も思い出せないまま、森からさまよい出たところで、お父さんに助けられたんだ。そしてそんな状態の僕を、教育し、育ててくれたのが両親だ。両親の名はライトとディアと言って、元Aランクの冒険者で、ちょっとばかり有名なんだ。昔、ギルドマスターと同じパーティーだったらしいし。とても優しく温かい人たちなんだよ。今の僕があるのは両親のおかげ、感謝しても仕切れないよ」

「…なんだかいろいろ納得できたわ。レンがいろいろ特殊なのは、転生者だからなのね」

「ほんとそれよ!」

「でも、聞きたいけど、なぜ転生者だと確信できたの?」

「そうだな…、最初に着ていた服がこの世界にはないタイプの服だったこととか、やっぱり特殊なスキルを身につけていることとかかな…」

「ふーん、なるほどね…。レンのご両親にも会いたいけど、目覚めた丘や森も見てみたい気がするわ」

「そこは別になんと言うことはない場所だと思うけど?まあ両親にはみんなを紹介したいな」

「未踏の森はボクの故郷の里の近くにある。レイリアは行ったことないの?」とサーシャ。

「それが、無いのよ」

「じゃあサクッと依頼をこなしつつ、ご両親に会いに行くのです!」

「おう!」

「じゃあ決まりだな。僕はレポートを作成してギルドに提出してくる。ひょっとしたら、レンには呼び出しがかかるかもしれないので、準備しておいてね」

「わかった」

「出発は明後日で良いかな?」

「ええっ明後日?沢山の買い出しが必要じゃない?明後日で大丈夫?明日一日かけて買い出しすれば大丈夫かな?」

「リーズ村まで行く乗合馬車は、3日毎にしかでてないんだ。で、明後日がその出発日というわけ。だから明後日」

「それなら仕方ないわね。乗合馬車は予約しなくて大丈夫?」

「任せてよ!すでに予約済みだったりするんだな…」

「さすメン(なのです、ね、だ)」4人の声が重なる。

「なにそれ!」

「流石メンデスの省略なのです」

「!!マジか…」

「でも、何でもメンデスに頼りっきりね。前から思っていたんだけど、仕事を分担した方が良いわ。そうね、これからは、交渉ごとは私がするわ」とレイリア。

「じゃあ、収納ボックスがあるし、僕がお金の管理と荷物の運搬をするよ」

「ん、それならボクとリンは補助と監査役」

「了解、それで行こう。改めて宜しくね」

「レン、明日は一緒に買い出しに行きましょう。沢山用意するものがあるわ」

「了解」

「私たちも一緒に買い出しに行くのです」

「OK。じゃあ買い出しの方は頼んだよ」


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