第26話 この世で最高の女
「レイチェルさんとか言ったね……見た所二人は夫婦なんだろ?ずいぶん気質の違う二人に見えるけど、どうやって一緒になったんだい?隠しても無駄だよ……アンタたちの雰囲気を見ればわかるんだ。アタシの過去も全部知ってるんだろ?アンタは。だったらそのくらい教えとくれよ」
お蔦はそう言ってレイチェルに笑いかけた。レイチェルはその顔に浮かんだ笑顔を崩すことなくお蔦を見つめていた。
「その話はいずれね。それよりアンタ、知りたくないのかい?隊長……アンタに言わせれば新さんだったね。あの人が前の戦争……『第二次遼州大戦』の戦時中何をしていたのか……恐らくアンタはそれを知りたくてこの豊川に来たってのも心のどこかにあるんじゃないのかね?そもそも銃殺されるようなことだというのに今、甲武の陸軍省に問い合わせても嵯峨惟基憲兵少将の経歴にはそんな罪になるような仕事……いや、戦地に行った記録すら残っていないはずだからね」
あまりに意外なレイチェルの言葉にお蔦は箸を止めた。
「戦地に行ったことが無い?でも、さっきそこの亭主は戦場で新さんに救われたとか言ってたじゃないか!おかしいじゃないのかね?いくら戦争を知らないアタシだってそれが間違いだってことは分かるよ……昨日の夜、一度目を覚ました時だって……新さんは……」
お蔦は昨日の夜情事の後に眠りについた時に一度目が覚めた時があった。
その時にちらりと見た涙を流しながら眠る嵯峨の顔を見てただ椅子に座って戦争を過ごした人間がそんな涙を流すはずがないことは嫌でも分かっていた。
「なあに、書類上は……っていう軍がよく使う手さ……確かに名前はある部局……隊長の場合は最初の東和陸軍大使館付二等武官以降は全部その席に全くの別人が座っていた訳さ。で、その本人は別の架空の人物の名前と階級を与えられて色々と別の任務を与えられて最終的にうちの人の部隊の隊長になった……おそらく隊長を銃殺したアメリカ軍だって使ってる手さ」
レイチェルの軽い口調とその重い内容にお蔦は軍というもののそこはかとない恐ろしさと、それを志願した嵯峨達相模屋の若者たちの運命を重ねて見ている自分がいることに気付いた。
「その中でも、最も汚い仕事を押しつけられていたのが、うちの人の部隊だったってわけさ。でも隊長は自分からはそのことをアンタに進んで言うことはないだろうね。でも、隊長のしたことの中でも最悪なことをしたことをうちの人は知ってる……もしアンタが隊長を分かりたいのならその事から逃げたら終わりだよ。そう聞くと聞きたくなるんじゃないのかい?」
レイチェルは急に笑顔を真顔に変えてそう言った。
「随分と図星を突くんだね。さすがに諜報系……新さんはアタシにも分かるようにスパイって言ってたね。いわゆるアンタも女スパイだったわけだ。だったらアタシなんかが勝てるわけがないのも分かるよ。でも、アタシは色と欲の世界と小さな町の料理屋の世界しか知らない女だよ。そんなアタシみたいな女に理解できる話だったら……それにこれから一緒にいたい男の苦労の話だったら聞きたくなるのが当然じゃないのさ。そのありもしない名前で呼ばれていた新さんは……終戦後、捕虜になって銃殺された。当然、悪いことをしていたに決まってるんだ。でも、分かってるよ……そこから逃げたら新さんのそばにいる資格は無いんだよね。そこから逃げたら……」
お蔦はその十九歳にしか見えない容姿に似つかわしいひねくれた笑顔でレイチェルを見つめた。
「そうだね、この話から逃げるようならうちの人の部下に連れられて甲武に帰った方がマシだろうね。隊長の女になろうってのに隊長のあの事を知らないなんてことは罪なんだよ。それにそれを知らなければ隊長の心の闇を理解できないし、本当の意味で隊長の女にはなる資格は無いわけさ。それを知らないまま隊長のそばにいたら、いつかアンタ自身が耐えられなくなる。そんなことは嫌なんだろ?だったらアンタはそれを知らなきゃならないんだ。そのことを知らないままじゃ、いつかアンタ自身が耐えられなくなる……それを受け止める覚悟ができないようならとっとと甲武に帰りな。金ならうちの人がどうにかしてくれるから」
レイチェルははっきりとした口調でそう言った。その目はお蔦の見た目で嵯峨やその悪友たちが時に見せる鋭い敵を威嚇する時の目だった。
「何があったのか、全部聞かせておくれ。その上で、新さんのそばにいるかはアタシが決める」
せっかく再会した嵯峨が何をしてきたかで別れられないことはもうお蔦にも分かっていたのでその覚悟がお蔦にそう言わせた。
そんなお蔦を見るレイチェルの目は明らかに軍人の目をしていた。そしてかつて相模屋で嵯峨達に見た軍人になることを宿命づけられた若者の目とおなじだった。その目の鋭さを見てお蔦はその目を持つものがいかなる運命をたどることを知っているだけに静かにうなずくことしかできなかった。
「分かったみたいだね。その覚悟を決めた目を見るとやっぱりアンタは隊長のそばにいる資格があるみたいだ。そもそも隊長は前の戦争でうちの人の部隊……甲武軍国家憲兵隊遼帝国派遣中隊の三代目の隊長だった。それまでの経歴はうちの人も知らない。隊長は人をはぐらかすことの名人だからねえ。それに偽名を名乗って単独の特殊任務を長年していたと聞けば、諜報畑のアタシでも、隊長が口を閉ざす理由くらいはなんとなく分かるよ。ただ、そこで隊長とうちの人がやったことがきっかけで隊長は銃殺され、うちの人は地球圏の国から戦争犯罪人認定されて追われる身になった……その時やったことから隊長はまだ抜け出せないでいる……たぶん永久に抜け出せない……一生その罪を負って生きることになる……」
頭にかぶっていた三角巾を脱いで金色の頭の頂点に纏めた長い髪を整えながらレイチェルはそう言った。
「そうかい、だからなのかね。アタシが一度だけ目を覚ました時。あの人は苦悶の表情を浮かべて寝付いていた。あの人を毎夜襲う悪夢はその罪……」
お蔦は嵯峨の苦しそうな寝顔を思い出しながらそう言った。
「そうだろうね。あの人は今も遼帝国での民間人虐殺、捕虜虐殺、政治犯虐殺の三つの罪を抱えきれずにいる……まあ、あんなことを抱えきれちまう人間も世の中にいるのは事実だが、そんな人間だったら、その職を退いた後までうちの人がついていくなんてあり得ないだろうね。もうそうなったらその人間は人として終わってるよ」
そのレイチェルのお蔦を見つめる青い瞳はあまりにも冷たく、これまで数多くの人間を見てきたお蔦の見たどんな目とも違う光を放っていた。
「特にレジスタンス狩りについてはそれを命じた一人の遼帝国を牛耳っていたガルシア・ゴンザレス元帥が皇帝の霊帝と自分の手駒の当時『飛将軍』と呼ばれてゴンザレスの側に置いたクバルカ・ランとその殺した数で賭けをしたくらいだからねえ……」
相変わらずの冷たい青い目の下に冷酷な笑みまで浮かべるレイチェルを見てお蔦は一度箸をおいた。
「人を殺す数……で……皇帝陛下と元帥が賭け……」
お蔦にはそんなことを平気で語るレイチェルよりもその背後でその数の多さで笑いあう人間がいるという事実が理解できなかった。
「まあ、そのゴンザレスが戦後に起きた『遼州内戦』で隊長に負けたことで我に返った当時は『飛将軍』と呼ばれていたあのちっちゃな今の『特殊な部隊』の副隊長であるクバルカ中佐に殺されたのは自業自得と言えるかね」
レイチェルはそこで一度言葉を切った。奥で湯気を見つめていた店主の背中が、ほんのわずかに丸くなった。
一瞬お蔦には分からなかったが、しばらくするとそんな言葉が嵯峨の口から出たことを思い出した。
『自分には大きな罪がある。おそらく生涯償いきれないだろうな……それが命令だったから俺は無罪だって?誰がそんなことを決めたんだよ。偉い人か?でもそれは殺された側には関係ないよな……なんにも悪いことをしてないのにその存在が都合が悪いっていうことで俺に命令を出した奴がいて、それを俺が実行した。殺したのは命令をした人間じゃない。俺だ』
睦み合いの間の一時にお蔦に言うわけでもなく嵯峨がそう言った言葉がお蔦の脳裏をよぎった。
「あんなひどいことを隊長にやらせた……うちの人もそれを黙って見ているしかなかった自分を情けないとこぼすことがあるよ……隊長は部下に責任を負わせないためにすべて率先して殺せと命じられた人間を殺したんだ。そうすればうちの人たちの罪が少しでも軽くなると考えたんだろうねえ……でも世の中そんなに甘くは無いよ。事実今だって恐らくうちの人も、ここに通っているうちの人の部下だった連中も地球圏の連中に見つかれば即銃殺だ。そのくらいの罪を隊長とうちの人、そしてその部下たちは重ねてきた……すべては甲武国本国と遼帝国首脳部の指示だったというのにね。しかもその指示を出した連中はいまでも罪に問われずに平気な顔をして幸せな日常を送っているとか言うじゃないか……その事実に隊長もうちの人も死ぬまで苦しめられることになるわけだ。うちの人は良い。いずれ死ぬからね。でも隊長は死ぬことすら許されないんだよ。未来永劫その罪を負って生き続ける。アンタも死なない身体になったらしいじゃないのさ。それじゃあ永遠にその罪を慰めてやる覚悟。それはあるのかい?」
お蔦は、想像を超えた嵯峨の負っている罪の深さに呆然とした。
「そうかい、アタシが花街で一番の太夫になって浮かれている時に新さんはそんなことを……そんなひどいことをさせられてたのかい。それであんな苦しそうな顔を……確かにアタシと会ってる時はあんなに苦しそうな顔なんてしなかった。いつも楽しそうに笑っていた。それが……あの戦争が新さんをそこまで追いつめて……分かった!アタシの覚悟は決まったよ!あの人の心の闇はアタシが埋める。アタシにはそれくらいの事しかあの人にはしてやれそうにないね。他に取り柄の一つもあれば……三味線も小唄も全部新さんに教わったんだ。そんなことじゃあ、新さんを慰められないことくらいアタシにも分かってるんだ……あの人の闇を消すことはできなくても、一人で抱えさせはしないよ」
お蔦の嵯峨への思いはより堅いものになっていた。そして覚悟を決めた目をレイチェルに向けた。
「アタシにはこの身体と、男の寂しさを見抜く目と、喜ばせる技量くらいしかない。それだけは誰にも負けないと自信を持ってる。そんなところしかない女でも誰よりも新さんを愛しているという自負はある。確かに新さんのあの顔を思い出すとあの顔はこれからも永遠に見続けることになるだろうけど……一時でも良い。その罪の意識を消せるんならアタシはあの人にそのすべてを捧げる覚悟なんかできてるよ」
そう言い放つとお蔦は笑顔を浮かべた。その様子にレイチェルも笑顔を返した。
「随分と自分を低く見積もるんだね、アンタは。うちの人がそんな言葉を聞いたら泣いちまうよ。アンタはそれだけの女じゃないのはアンタを見たがって甲武のアンタの店を遠くから見ていたうちの部下達も知ってるんだ。でも、覚悟が決まったならいいんだ。アンタはただの民間人だ。隊長みたいに罪の塊のような男と一緒に居るのを怖がるかと思ったが……その様子だとそんな心配もないようだね。それならいいんだ……おい!アンタ!恥ずかしがってないで出てきなさいな!アンタの生き方を変えてくれた大事な隊長さんの女だよ!しかも、それがアンタが言ってた『地上の弁天様』のお蔦さん本人なんだ!副隊長として挨拶くらいするのが当然の話じゃないのかい!」
遠慮も無く大声でレイチェルは店の奥に向けて叫んだ。そこからは先ほどの不愛想とうって変わった笑顔の表情の店主が現れた。
「そうだな。レイチェル、店を閉めろ。これからいい話をしようって言うんだ。無粋な客なんぞに邪魔されたら迷惑なだけの話だ。暖簾を片付けて鍵を閉めておけ!変な地球圏の鼠どもに聞かれると面倒だからな!」
でっぷりと太った店主はレイチェルにそう言うとその巨体を小さな丸椅子へ押し込んだ。
「お蔦さん……悪いね。アンタがこの東和に来たことを知った時から俺はどうしたらいいのか分からなくってついあんな態度をとっちまった。そもそもアンタに会えるなんて思ってなかったんだ。俺の部下には甲武でここ東和に向かう人物の中に俺達の事を嗅ぎまわりそうな奴が居たら俺に連絡するように言ってある奴が居るんだが……そいつがアンタが甲武を出て東和に向ったと聞いた時は耳を疑ったね……あの俺達の憧れのお蔦さんが東和に来る……そりゃあ心が躍ったのが本当のところだ。俺は愛想が悪いっていつもレイチェルには言われるんだが、アンタがこの店に近づいているという部下からの報告を受けた時もそりゃあもう嬉しくって……それがバレたら俺の副隊長としての面子がつぶれるんだ。だから許してくれないかね?」
店主の顔は笑顔に満ちて、先ほどの不愛想な男の雰囲気はかけらも無かった。
「なんで……アンタがアタシの事にそんなに詳しいんだい?あれかい……花街の番付表でアタシが太夫の番付の筆頭になったことを知ってたからかい?」
お蔦は不思議そうな顔で店主の顔を見た。
「おい、花街の番付表なんて俺達の居る遼帝国の治安維持部隊が戦う戦場なんかに配られる訳がねえよ。そもそもお蔦さんがあの世界で知らない人がいない身分になったそん時は俺達は戦場に居たんだ。お蔦さんが太夫の番付の筆頭になったのを知ったのはアンタが西園寺公に身請けされた後の話だ。でも、それ以前から俺達はアンタの事を知っていたんだ」
笑顔を浮かべて語る店主はお蔦には理解できないことを口にした。
「お蔦さん。これがあの隊長らしいところなんだが、隊長はいつもアンタの写真を持ち歩いていたんだよ。その時はさもうれしそうな顔をして自慢気に俺達に見せびらかしてくるのはいつものことでね。自分にはかみさんが居るってのに、生まれたばかりの娘の写真は持っているというのにかみさんの写真は持ってないんだ。あの人はかみさんのことは悪くは言わないが、俺達が甲武に帰って隊長の死んだかみさんの噂を聞いたが……ありゃあ酷い女だったらしいな。隊長本人は詳しく語らなかったが聞いた話じゃ、隊長が出征すると産んだ娘の事は家政婦に任せて自分はひたすら男遊びだったそうじゃないか。そりゃあ、隊長もそんな女の写真を持ち歩かないわけだ」
店主はそう言って下品な笑みを浮かべた。お蔦は店主の言葉の意味が分からず呆然と黙り込んでいた。
「隊長は俺が結婚したのは『事故』だから俺はかみさんの写真は徹底抗戦派の軍部が起こした隊長の義父を狙ったテロでかみさんが死んだときにすべて焼いたと言ってた。俺もさすがに『事故』って言い方はねえんじゃねえかって隊長に言ったんだが、その話になると急に黙ってタバコをくわえて消えちまうんだ。そんな事を知ってることから考えて隊長は甲武本国のあらゆる情報を知ることが出来る立場にあった人間だったんじゃないかというのが俺達の出した隊長の過去に関する結論だな。俺達の隊長になる前は諜報関係の仕事をしていたんじゃないかと俺は睨んでいるが……まあ、そんな野暮な話はやめるか」
店主はそう言って笑った。
「それよりアンタ。隊長の副官をしていたんだろ?いい加減自分の名前ぐらい名乗ったらどうだい!これだから男ってのは気が利かなくっていけないよ」
お蔦はより深く前の戦争での話を聞きたくなって、その時に嵯峨の副官をしていたという目の前の巨漢の男にそう言った。
「俺かい?俺は一応、楠木伸介という名前になってる。でも俺達の部隊じゃ名前なんて単なる記号さ。俺達の隊長をしていた時もさっきレイチェルが言った通り隊長は『三好大蔵』と言う偽名を使っていた。本国も遼帝国の連中も俺達が敗戦後戦争犯罪人として扱われることになるだろうということを前提に作戦を命じていたんだ。そこで本名が出てくると後々色々と面倒なことになる。特にその名が甲武四大公家末席の地位にあるとなるとなおさらだ。だから、隊長は……いや、隊長の名前は勝手に戦場とは無関係なところで他人の手柄を横取りする形で出世していったことになってたんだけっけな。俺達の前に『三好大蔵中佐』として隊長が現れた時には本人とはまるで違う名前だけの嵯峨惟基という陸軍憲兵はすでに准将にまで昇格していた……戦後、そのことを知った俺達は大笑いしたもんだよ」
楠木は急に神妙な顔になってそう言った。
「だから当時の俺達の部隊の隊員は全員偽名で呼び合っていた。本名を聞かないのが隊の中のルールだった。ただ、中級士族の出身だと自称していた隊長の所作がどうにもそんな身分の連中に仕えてきた俺には違和感を覚えたんだ。俺があの部隊に来る理由になった時の典型的な中級士族出身のシュツルム・パンツァーパイロットの上官とその癖や所作がまるで違うからそれが嘘だなんてことはすぐに分かったんだ。当時はまだ隊長も俺から言わせるとどこからどう見ても世間知らずの若造でね。一目で公家所作だと分かる動きを時々見せるのは俺の目には誤魔化せなかった。しかもその所作と教養の高さから相当高貴な身分の家の出だってすぐに分かった。だから、隊長が全責任を負うと言ってアメリカ軍に一人で降伏した時もそのあとすぐに甲武に密航して公家関係の被官をしている人間に隊長の写真を見せて隊長の身元を洗ったんだが、その出がなんとあの西園寺家ときたもんだ……そしてその三男として絶家になっていた嵯峨家を興した嵯峨惟基公だと分かったんだ……俺もそん時はさすがに驚いたもんだよ」
まるで自分の慧眼を褒めてくれと言うように楠木は笑った。
「そうかい、そんな偽名で活動しなきゃならない使い捨ての部隊に新さんは……それであんな悲しい寝顔に……」
お蔦の頬を涙が伝った。
楠木とレイチェルと彼の部下達。お蔦だけではなく嵯峨はあの戦争の最中もそしてその罪を知っている人間も一人では無かったことがお蔦には心強く感じて泣く以外の事が出来なかった。
「お蔦さん。泣くんじゃないよ。隊長はアンタの写真を見せびらかす時はそれは良い笑顔で俺達にいつも『この世の最高の女の顔を見せてやる』と言って自慢していたもんだぜ……笑ってくれよ。そうしなきゃ俺が隊長に会わせる顔が無いよ」
楠木は慌てたようにそう言うと再び満面の笑みを浮かべた。




