第34話 筋肉聖女、自らの剣を披露する!
「いきますよっ!」
アナスタシアは一歩踏み込んだ。
――ヒュッ!
鋭い一閃が、教官役の男の首元へ迫った。
――キンッ!
教官役の男は、辛うじて自らの剣で受ける。
「なっ!」
しかし、男が体勢を立て直すよりも早く、アナスタシアはさらに一歩踏み込む。
――ヒュッ! キンッ!
右からの斬撃。
それを受けた男の剣が、今度は大きく外へ流される。
そこへ、アナスタシアが身体をひねりながら、逆方向から斬り込んだ。
――キンッ!
「ぐっ!」
教官役の男は必死に剣を戻す。
しかし、その瞬間にはアナスタシアとの距離が詰まっていた。
――ヒュン!
「うおっ!」
教官役の男は、紙一重で斬撃を躱した。
しかし、アナスタシアは一切の隙を与えず、鋭い斬撃を繰り出し続ける。
――ヒュッ! ヒュッ! キンッ! キンッ!
右、左、そして、上段。
教官役の男は辛うじて剣を合わせるが、一歩、また、一歩と、アナスタシアの剣に押し込まれて後退していく。
「な、なんだ、この剣技は……!」
男には、もう攻撃できる余裕は全くなかった。
――ビュゥッ! キンッ! キンッ!
「お、お前、パワーだけの奴じゃなかったのかっ!」
前の試合で圧倒したウォーハンマーさえ取り上げてしまえば、こちらの剣技で一方的に勝てるはず――そんな目論見は完全に崩れ去っていた。
「くそっ!」
――ガキンッ!
金属同士がぶつかる音がした直後、教官役の男の剣が弾かれ、目の前をくるくると回りながら落下していく。
――カラン、カラン
「しまった!」
――チャッ!
剣が地面に落ちると同時に、教官役の男の喉元にアナスタシアの剣が突きつけられた。
「これで、一本ですね……」
そこには、息も切らさず静かだったが、怒りが籠った瞳で見つめるアナスタシアが立っていた。
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