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筋肉聖女 ~神聖魔法より筋トレを選んだ侯爵令嬢、ウォーハンマーで無双する~  作者: みーしゃ


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第31話 筋肉聖女、最後の対戦実技試験に挑む!

「始めっ!」


 対戦実技試験の第三戦が始まった。


 相手の難癖により、剣での戦いを余儀なくされたアナスタシアは、まずは慎重に相手の出方を窺うことにした。


 対する教官役の男も、顔の高さで両手で剣を水平に持つという、歪な構えをとっている。


――この構え……。


 騎士の基本動作からは完全に外れていた。


 アナスタシアは警戒を強める。


 先に動いたのは教官役の男の方だった。


 鋭い横薙ぎの振りを繰り返しながら、間合いを詰めてくる。


――ブン、ブン、キンッ!


 一振り目と二振り目は距離があったため躱し、三振り目は自らの剣で受けた。


 すると、教官役の男は一度距離を取った。


 そして、再び同じように、横薙ぎの剣で迫ってきた。


――ブン、ブン!


 距離のある二振りは余裕を持って躱し、三振り目を剣で受ける――その瞬間だった。


 アナスタシアの視界から、相手の姿が一瞬で消えた。


――これは!


 教官役の男は剣を振ると見せかけて、極限まで姿勢を低く沈めていた。


 そして、そのまま身体をひねり、高速で回転しながら足を伸ばしてきた。


――足払いだっ!!!


 アナスタシアは超反応でバックステップし、危機一髪で転倒を防いだ。


 足払いは空を切ったが、教官役の男は流れるような回転で立ち上がり、再び剣を構えた。


「おっ、やるじゃねぇか。いい反射神経をしてるな!」


「剣ではなく、いきなり足払いですか」


「一対一の対人戦じゃ、転ばされた時点で急所を刺されて終わりだからな」


 悪びれもせず言い放ったその言葉は、自信に満ち溢れていた。


 アナスタシアはその言葉で確信した。


――この男、この方法で実際に人を殺めたことがある!


 彼女は教官役の男の目を、キッと睨みつけた。


「……ふっ。冒険者をやっているとな、ケンカやら配分を巡った仲間割れやら、いろいろあるんだよ」


「……それは正当防衛として、でしょうか?」


「ああ、そうさ! まあ、先制的な正当防衛というやつだがな」


「なっ!」


「冒険者の世界はな、貴族のお嬢ちゃんが思っているほど甘い世界じゃねぇんだよ!」


 その言葉の中には、厳しい世界で生き抜いてきた男の経験が、確かに詰まっていた。


 しかし、アナスタシアは表情を変えず、静かに剣を握り直した。


皆さま、読んで下さり本当にありがとうございます!

毎日20:00頃、更新予定です!


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