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筋肉聖女 ~神聖魔法より筋トレを選んだ侯爵令嬢、ウォーハンマーで無双する~  作者: みーしゃ


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第30話 筋肉聖女、再び不正と対峙する!

 アナスタシアが天幕の中に進むと、一戦目で見かけた関係者たちが揃っていた。


 教官役の騎士が口を開く。


「お前……よく、また来れたな」


「どの騎士と対戦するのかは、受験生が自由に選べるはずですが?」


「……ふん、まあいい。その水晶で手続きをしな」


 アナスタシアは受験票を水晶にかざす。


「ちなみに、お前がブッ飛ばしたアニキは、現在も治療中だ!」


「そうですか」


 アナスタシアは普通に答えたつもりだった。


 しかし、素っ気ないようにも聞こえたその返事は、彼らを怒らせる結果となった。


「……てめぇッ!」


「おい、よせっ!」


 教官役の騎士が一喝した。


「ところで、お前は、平民をいじめて楽しいか?」


 その言葉に対し、今度はアナスタシアが怒った。


「平民の方をいじめているのは、あなた方でしょう! 平民の方でも不利にならないように、公平な試験を実施するのがあなた方の役目のはずです!」


 すると、騎士たちは薄ら笑いを浮かべる。


「ああ、俺らは公平さ。公平かどうかを監視するための魔道具まで持たされているんだからな」


 アナスタシアは、彼らを全く信じられなかった。


「では、お前も不正をしていないか、武器のチェックをさせてもらうぞ」


「どうぞ」


 アナスタシアは、ウォーハンマーを手渡す。


「おやおやおや、普通の武器じゃねぇなあ」


 教官役の騎士は武器を手に取り、細部をじっくりと見ていく。


「……この武器は禁止武器だ! 他の武器に変えな」


「なぜですか? 刃引きさえしてあれば、武器は自由のはずです!」


「もう一つ条件があるんだよ。……暗器も禁止だ!」


「……暗器? このウォーハンマーのどこが隠し武器なのですか?」


「すまねえな。俺らには暗器に見えるんだ」


「この巨大なハンマーをどこに隠せるというのですか!」


「うわっはっは」


 騎士たちが笑い出した。


「一戦目では、何も指摘しなかったではないですかっ!」


 アナスタシアは毅然とした態度で言い寄った。


「きっと、見落としてたんだろうなぁ」


 再び騎士たちが笑い出した。


「なっ! そんな不正が許される訳がありませんっ!」


「見な、この首飾りを」


「もし、俺たちが不正を行えば、ただちに反応する魔道具だ。この通り、なんの反応もしていない! つまり、不正なんかしていないってことだ」


「そんなバカなっ!」


「――ただな、俺らに解釈が委ねられている部分には、不正の判定が及ばねぇんだよ!」


「……なんて卑劣な!」


「せっかく大学から委託されているお仕事だ。精一杯、真面目に務めなきゃなぁ?」


 教官役の騎士が振り向いてそう言うと、仲間たちから再び笑いが起こった。


「これで判っただろう、お嬢ちゃん。俺らを敵に回すとどうなるかって」


「……よく判りました。では、解釈する余地がなければよいということですね!」


「はっはっは、その通りだ」


――カシャン!


 アナスタシアは別に用意していた刃引きの剣を出した。


「これは、暗器になりませんよね?」


 アナスタシアが騎士を睨みつける。


 騎士たちはお互いに目を見て、小声で話す。


「解釈の余地がねえ普通の剣ですから、もし、暗器認定したら、さすがに水晶が反応をしちまいますよ……」


「チッ、しょうがねぇ……。お嬢ちゃん、そいつは大丈夫だ。使っていい」


「よかった。これで騎士として、あなた方と戦えますね」


「……お嬢さん、何か勘違いしているようだな。おれらは冒険者で、臨時の雇われ騎士だ」


「そのようですね」


「つまりだ。まともな騎士道の剣で、戦ってもらえるとは思わねぇほうがいいぞ!」


 対戦する騎士の男の目には、怒りの炎が宿っていた。


 しかし、アナスタシアの目にもまた、正義と信念を感じさせる光が強く宿っていた。


皆さま、読んで下さり本当にありがとうございます!

毎日20:00頃、更新予定です!


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