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筋肉聖女 ~神聖魔法より筋トレを選んだ侯爵令嬢、ウォーハンマーで無双する~  作者: みーしゃ


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第21話 筋肉聖女、鉄壁の防御を見せる!

 次にアナスタシアは防御の型の試験の列に並んだ。


 騎士コースの防御試験は、実戦を想定した厳しい内容で知られていた。


 列に並んでいると、先に試験を受けている受験生たちにかけられている怒声が耳に入ってきた。


 「お前らこれぐらいでグラつくのかぁ! 一人が崩れると、仲間たちまで危険にさらされるんだぞ!」


 防御態勢を取っている受験生たちに、容赦のない体当たりや蹴りが入れられていた。


「……うわぁ」


 並んでいた他の受験生が思わず声を上げた。


――あぁ、試験だから手加減しているのね。


 アナスタシアは、自分の基準が異常であることに気付いていなかった。


 じいやとの毎日のトレーニングと比べると、目の前の試験はあまりにも緩く見えてしまうのだった。


 やがて試験の順番が近づき、担当者が声を上げる。


 指示に従い盾や剣のチェックを済ませ、アナスタシアは列に並んだ。


 そして、アナスタシアたちの順番がやってきた。


「次の十名、前へ! ……正面方向防御! 構え!」


 教官役の掛け声とともに、皆が一斉に防御態勢を取る。


 教官たちは容赦なく体当たりや蹴りを繰り返し、受験生たちの防御姿勢が崩れないかチェックしていく。


――ガンッ!


「これくらいの衝撃で揺れ動くんじゃない! 自分たちよりデカい魔物を想像し、ぶつかるつもりで来いっ!」


 衝撃に対する耐久性だけでなく、仮に崩されても早く元の態勢に戻れるかなどまで含めて、試験の採点項目になっていた。


 しかし、どんな衝撃でも、びくともしない受験生がいた。


 アナスタシアだった。


――なんだ、この受験生は???


 顔はかわいい女性なのに、その身体はまるで巨大な鉄塊のようにびくともしなかった。


 どの防御姿勢の試験でも全く崩れないため、試験官はあることを考えた。


――崩されてからどのくらいの時間で戻れるのか……これも、必要な試験だ!


 実施役の試験官は距離を取り、助走をつけてアナスタシアに体当たりしようと試みた。


――ガッキーーーーーーン!!!


 衝撃音と共に、試験官の方が吹っ飛んでいた。


「な、何が起こった!?」


 地面に転がっていた試験官は上半身を起こし、アナスタシアの方を見る。


 しかし、アナスタシアは微動だにしていなかった。


「……馬鹿な!」


 アナスタシアは、教官がぶつかる瞬間を見切っていた。


 そして衝突の寸前、盾を高速で前へと突き出す。


 受け止めるのではない。


 相手がぶつかってくる力に、こちらからも力でぶつかり、撃墜させてしまうのだ。


 実施役の試験官が目を白黒させる中、採点役の試験官の中には、アナスタシアの高い技量を見抜く者もいた。


「あ、あの子! 今のは、単なる力技なんかじゃないぞ!」


 その後も、あらゆる攻撃が試みられたが、アナスタシアは微動だにしなかった。


 こうして、アナスタシアの防御の型の試験は終わった。


「……あの子、大学卒業後はうちの騎士団に来てくれないかなぁ」


 アナスタシアを見つめながら、採点役の若い騎士は感心した様子でつぶやいた。


 これが、後にアナスタシアを聖女として崇拝することになる、盾の騎士団所属の若き騎士オレスティス・フォロスとの最初の出会いだった。


皆さま、読んで下さり本当にありがとうございます!

毎日20:00頃、更新予定です!


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