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俺の人生。支離滅裂。でも、楽しい。  作者: ケイ


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7

部屋。

殺風景で、よく言えばすっきりした部屋。

2段ベッドがたくさん並び、窓がひとつだけある。


人数の割に、ベッド多くね?


それに。

使われてないのに、妙に“整いすぎてる”。


俺とスズメ。


二人だけにしては、明らかに広い。

まるで、"今まで"。そして"これから"。たくさんの人が居た。或いはやってくる。

そんなことを感じさせる異様感。


そそくさ。


慣れたように。スズメは身近のベッドに座る。

二段ベッドの下段へと。


そして。


「変なことしたら、マリアさまに報告します」


じっと俺を見つめ、そんなことを言いやがる。


このメスガキ。

俺をそこら辺の獣かなにかと思ってんのか?


「変なことってなんだよ。言っておくが、俺はてめぇみたいなちんちくりんに興味なんてねぇから。くだらねぇこと言ってんじゃねぞ」


「なんですか? その物言い。一応、言っておきますけど……わたしはマリアさまに嫌われたくない。その一心であなたと組んだんですから」


「そりゃ俺もおんなじだ。愛しの人に嫌われたくねぇもん」


「愛しの人? わたしのほうがマリアさまを愛し、愛されています」


「は? 俺のほうが愛されて。愛しているぜ」


「わ、わたしのほうが」


「お、俺のほうが」


「わたしのほうが!!」


「俺のほうが!!」


「「愛しッ、愛されてる!!」」


響く、俺とスズメの思い。


…バカみてぇだな。


互いに威嚇し、そっぽを向く。


だが、そんなことをしてもこれっぽちも意味がない。


仕方ねぇ。

ここは俺が折れてやるか。


年上の余裕ってもんを見せてやるぜ。


「はぁ。こんなことしても意味がねぇ」


「そんなわけで提案だ」


「提案?」


訝しむ、スズメ。

完全に俺を嫌ってやがる。


しかし、そんなことはどうでもいい。


「ここはマリアさんのことが好き者同士。マリアさんを困らせるようなことをしないってことで手を打とう……どうだ?」


しばしの熟考。


そして。


「わかりました。それなら大丈夫です」


それなら。

ってなんだ、それならって。

まるでそれ以外の提案をしたら、拒否るみたいな感じ。


「あのな。そもそも、俺とお前が組むことを提示したのはマリアさんだぞ?」


「その提示を不愉快に思うってことは。お前、マリアさんのこと」


しかし俺はそれ以上のことは言えなかった。


「マリアさまのこと。マリアさまのことを。なんですか?」


口調は変わらない。

しかしその身は微かに震え、俺を見つめるその瞳にも先ほどまであった光は無い。


その姿。


それに俺は、


「な、なんでもねぇよ」


と返し、でかかったーー


【好きじゃないだろ】


という言葉をぐっと飲み込む。


もし、その言葉を吐いたのなら。


多分。

いやおそらく。


俺は、スズメに一生、口を聞いてもらえない。



そう直感してしまったからだ。

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