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〜〜〜
その後。
俺たちは、部屋に戻った。
窓の外はまだ明るい。
それもそのはず。
見れるところが少なすぎて時間があまりたたなかったからだ。
「ふぅ」
息をつく。
ベッドに横になる。
あんま面白くなかったな。
やったこと。
ガキを殴ったこと。
他にも色々やった。
しかし、それが一番印象に残っている。
いや。ちがう。
それよりも印象に残っているのはーー
「あの中」
「なにがあるんだ?」
呟く。
その呟き。
それに答える声。
「ノア」
「マリアさまに聞きに行ったら?」
「気になるんでしょ?」
ベッドの下から聞こえる問いかけ。
「俺は聞きに行くぜ」
「ダメって。言っても行くでしょ?」
「行く」
しばしの間。
そして。
「ならわたしは止めない」
「止めても行くがな」
「だろうね」
「だからスズメは言ったらいいぜ」
「なにを?」
起き上がり、言ってやる。
「わたしは止めました。だけど、ノアが勝手に力ずくでいっちゃいました。ってな」
「なにそれ」
「予防線」
「誰の?」
「スズメの」
響く笑い声。
「ノア」
「あんたってやっぱ、おもしろい」
それ。
褒めてんのか?
〜〜〜
マリアさんのお部屋。
中は、相変わらず殺風景。
だけど。
「ノアくん」
「どうかした?」
マリアさんが居る。
それだけで俺にとっては天国のような場所。
書類の置かれた机。
それを挟んで椅子に座っている、マリアさん。
あぁ、素敵。
目が癒される。
「もしかして」
「わたしに会いたくなっちゃった。とか?」
思わず。
「はい!!」
と返事を返しそうになる。
にこり。
頬杖をしながら、マリアさんは笑ってくれる。
顔が熱い。
鼓動がやばい。
「いいよ、ノアくん」
「話してみて」
声に宿る、温かさ。
「聞きたいこと。あるんだよね?」
笑っている。
「はッ、はい!! で、でもどうしてわかったんですか?」
「ん?」
「俺が。そ、その聞きたいことがあるって」
「そんなの簡単だよ」
立ち上がる。
「だってノアくんとわたしは」
「つながっているんだもん」
「そ、それって」
「そのままの意味だよ」
ま、マリアさん。
「ね。ノアくん」
「あの扉の中にはね」
どくんっ
どくんっ
「"残ってしまったモノたち"が居るんだよ」
「えっ?」
で、でも。
マリアさんが言うんだ。
間違いない。
「だからね。待っているの」
「待っている?」
「うん」
「そ、それって」
「自分を"話してくれるモノ"。それを待っているんだ」
ぞくっ
固まってしまう。
そんな俺のところへ、マリアさんは歩み寄ってくる。
そして。
「怖かった?」
「でもまだそう思えるってことは」
「まだ、ノアくんは大丈夫」
抱きしめてくれる。
その温かさ。
その優しさ。
それに俺は、されるがままに抱きしめられ続けられることしかできなかった。
そして。
「ノアくん」
「明日はね」
「いっしょに中に入ってみよっか?」
「そしたら。なにか掴めるかも」
「は、はい」
「いい子だね、ノアくん」
耳元で囁いてくれる。
いい子。
俺、いい子。
あぁ。
最高。
マリアさん。
ほんと、大好き。
〜〜〜




