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俺の人生。支離滅裂。でも、楽しい。  作者: ケイ


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14

その夜。

俺はなぜか、スズメに呼ばれた。


二人しか居ない部屋。

その窓際に来い。だとさ。


月の光。

それに照らされ、白い。

顔はそこそこ。

その目の下には、クマ。


な、なんだこいつ。

また俺を蔑むつもりか?


警戒が滲んでいたであろう、俺。


そんな俺。

それにスズメは、言った。


「ノア」


「マリアさまのことが好き?」


「あぁ」


わかりきったこと。

なにせ、俺の女神様だからな。


「だよね。わたしも好き」


もじもじする、スズメ。


なんだこいつ。

いつもより恋する乙女モードじゃねぇか。


ははん。

さては、こいつもマリアさんに骨抜きにされたな。


「【時間】をあげる」


思い出される、その言葉。


わかる。

わかるぞ、スズメ。


マリアさんの魅力。

それは俺が一番わかってるぜ。


「スズメよ。おまえはなにをされたんだ?」


「えっ?」


「えっ? じゃねぇだろ。マリアさんに骨抜きにされたんだろ。なら、俺とお前で自慢し合おうじゃないか。名付けて。マリアさんにされたこと自慢大会」


「ば、バカみたい」


「バカで結構。で? なにされた?」


「あのね。別にそんなことの為にあんたを呼んだわけじゃ」


「いいから。言ってみろ」


ここではっきりさせておこうじゃないか。


どっちがマリアさんにーー


「だ、抱きしめられた」


えっ?


「それに。絵本も読んでもらった。膝枕付きで」


は?


こいつッ、俺より上いってるじゃねぇぇか。


「の、ノアは?」


「やめだ、やめ」


「はい?」


「俺はな。こんなことをする為におまえに呼び出されたわけじゃねぇから」


「あんたねぇ」


「で。なんか用? ないなら寝る」


冷めた。

冷めちまった。


一方的にこいつを悔しがらせてやろうと思ってたのによぉ。


お、俺が悔しがってるじゃねぇか。


終わり終わり。

お開きお開き。


はい、また明日。


「ノア」


「なに?」


「今更だけど。わたしのこと話してもいい?」


「興味ねぇ」


「なら一人で話す」


「勝手にどうぞ」


月、綺麗だな。


「わたしね。マリアさまに拾われたの」


さすが、マリアさん。聖母。


「自分が滅ぼした村の中」


「たくさんの人たちの死体に囲まれたところで」


はい、すごいすごい。


俺なんてな。

身体の売買を繰り返している中でーー


って、今こいつなんつった?


「わたしね。ずっと虐められていたの"マカイのタネ"をだせるって」


「ちいさなときから、ずっと。ぼこぼこにされ続けてきたの」


「だからね」


「みんな。たべてもらったの」


「マカイ。に」


顔は笑っている。

だが、無機質すぎる。


「わたしはね」


「きっと、この世界にいちゃダメなの」


「でも。マリアさまはそんなわたしを拾ってくれた」


「撫でて。抱きしめてくれたの」


「わたしがずっと側にいてあげる。って、言ってくれたの」


「だから」


ダメだ。

こいつやべぇ。


笑いながら、泣いてやがる。


「やめろ、スズメ」


「んなこと。聞きたくねぇから」


軽く頭を撫でてやる。


それにスズメは止まる。

そして、じっと窓の外を見た。


頬に涙の跡を残しーー

 

「わたし」


「なにか言ってた?」


そんな的外れなこと。


それを淡々と呟きながら。

月にその身を照らしたのであった。

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