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俺の人生。支離滅裂。でも、楽しい。  作者: ケイ


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13

その後の残り時間。

それは、とても楽しかった。


マリアさんとの他愛もない会話。

仕事とは関係のない、俺とマリアさんだけのかけがえのない残り30分。


「へぇ。ノアくん。そんなにちっちゃな頃から働いてたんだ」


「とっても。大変だったんだね」


俺の過去。

それを話すと、マリアさんはとても同情してくれた。


親の莫大な借金。

それを返す為に働いていたこと。

そしてその環境が過酷で最悪だったこと。


その全部を、俺はマリアさんに打ち明けた。


時折、頷き。

時折、悲しげに。

時折、笑顔で。


マリアさんは、ずっと俺の話を聞いてくれた。

寄り添うように。まるで、俺の心を優しく撫でるようにして。


マリアさんの美しすぎる顔。


反則すぎ。


こんなのずっと見惚れることしかできねぇだろ。


瞬き。

その時間さえも、惜しい。

そう思えるほどに。


「ノアくん」


あったかい。


頬に触れる手。


残り、1分。


「ほんとに」


「わたしに【買ってもらえて】よかったね」


にこり。


はい。決めた。

いや、元から決まっていたけど。


俺、マリアさんのモノになる。


誰がなんと言おうと。

俺はマリアさんのモン。


頬を赤らめたであろう、俺。


それを見つめ、マリアさんは笑う。


俺の頬を撫でながらーー


「ほんとにいい子だね」


「ノアくん"は"」


そう言ってくれた、マリアさん。


その表情。

それはほんとに、美しかった。


〜〜〜


バタンっ


天国のような1時間。


それを終え、部屋から出た。


あぁ。

まだ頭がくらくらする。


ま、マリアさん。


撫でてくれた。俺の頭を。

撫でてくれた。俺の頬を。

向けてくれた。俺の心に、その眼差しを。


くそっ。


こりゃ今日は大変だ。


多分、寝れない。

飯も喉を通らない。


スズメの悪態。

それにもおおらかに対応できちまうかもしれん。


マリアさんのこと。

それはあまり知ることはできなかった。


だけど。

今の俺は、すごく幸せ。


よかったな、スズメ。


今日の俺はーー


「なんですか、その顔?」


「き、気持ち悪い」


「こここ。これだから男という名の猿は」


「ま、万年発情期。マリアさまをそういう目で見ないでください」


「こわっ。わたしも気をつけないと」


こちらを見上げる、スズメ。

その顔はゴミを見るような表情。


ごめん。

やっぱ、無理。


このメスガキぃ。


人様の幸福。

それをよくもまぁここまで踏み躙れるもんだな。


マリアさんが月。

で、こいつは砂利。


ふぅ。

砂利にキレても仕方ない。


ここは。


「なんですか? お、大声出しますよ?」


「ま、まぁ…落ち着け。俺の顔がキモかったのは、すまん。謝る」


「だがな、スズメ。いきなり【気持ち悪い】はねぇだろ」


「そ、それは。はい」


「それに。ここはマリアさんのお部屋の前。互いに醜い争いはやめよう。な?」


互いに頷く。


「よし。なら、謝れ。スズメ」


「えっ。いやです」


やっぱこいつやだ。

すごいやだ。


死ぬほど生意気ぃ。


「じゃっ。わたしはこれで」


バタンっ


俺を置き去りに、スズメはマリアさんのお部屋に入ってしまう。


頭をかく。


くそっ。

くそっ。


幸せが吹っ飛んじまった。

心がクリアになっちまった。


こうなりゃーー


寝よ。


今の俺にはあるんだ。


温かなベッド。


という普通の幸せ。

それも、あるんだからな。


それに。


俺は、マリアさんにご褒美をもらえたらそれで嬉しい。


スズメにどう思われようと。


「知ったことじゃねぇ」


呟かれた、俺の心の声。


それは紛れもなく、俺の本心。

そのものだった。


〜〜〜

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