―第0️⃣9️⃣4️⃣話― 【地震】マグニチュード七・一、震度七——その日の、我が家。
揺れました。
今日、自宅で作業をしておりましたら、午後四時二十七分。大きな地震が来ました。
最初に、携帯が、あの特有のビービーという警戒音を鳴らしました。緊急地震速報です。その二秒ほど後に、大きな横揺れがやってきました。
一定の揺れというより、わずかな縦揺れと、大きな横揺れが、同時に来る。家が軋むような音を立て、かなり長く感じる、地震でした。
■ 揺れ
揺れが収まって、すぐにテレビをつけました。
NHKでは、アナウンサーが、しきりに大きな声で注意を促しています。津波の危険がある、と。その切迫した声を聞いて、これは相当な地震だと分かりました。
マグニチュード七・一。最大震度七。
十年前の、熊本地震に匹敵する規模です。(あの二〇一六年の地震が、マグニチュード七・三でしたから、それに、わずかに及ばないくらい)。ただ、揺れそのものは、あの時よりも、いくらか優しく感じました。
幸い、私の住む地域は、震度五強。たまたま、硬い岩盤の上に建つ家であることも、幸いしたのかもしれません。
なお、有明・八代海に出ていた津波注意報は、午後六時十分に、解除されました。ひとまず、津波の心配は、去ったことになります。
■ 家の中を確認する
大きな揺れが収まっても、余震は、断続的に続いています。揺れの合間を縫って、家の中を確認しました。
まずは、二階の、気になる二箇所から。
先日、五十万円を惜しんで、一万五千円で自作した壁は、無事、そのまま健在でした。そこに作り付けた本棚も、無事。本が数冊、落ちていただけで、あとは、ほとんどが元のまま収まっていました。
私の小さな城である自室も、不安定に置いていた酒瓶こそ倒れていましたが、大きな荷崩れはなく、無事。
台所には、パナソニックの作り付けの食器棚があります。地震を感知すると、扉が飛び出さないよう、自動でロックがかかる仕様です。これが見事に働いて、皿は、一枚も割れていませんでした。コップの類も、別に買い足したカップ棚も、特に影響はありません。
気になる箇所を、ひととおり見て、ようやく、一安心。
■ 女性陣は、逞しい
そうなると、次に気がかりなのは、出かけている妻と娘のことです。
二人そろって美容室へ行くと言って、家を出て、二時間ほど。そろそろ帰る頃かと思い、妻に、メールを送りました。
「大丈夫か? 家の中は、特段の被害はないよ」
——返事は、ありません。例の一件以来、私と妻は、まだ冷戦の最中なのでした。
代わりに、娘から連絡が入ります。
「今スーパー。お菓子買って帰るね」
まずは、一安心。……ただ、なぜ、お菓子。
その後も、二度、連絡が来ました。「水買って帰るね」「もう一軒、回ってくる」と。いったい何をしているのかと案じましたが、やがて、二人は、無事に帰り着きました。
そして、その開口一番が、これです。
「ピオーネ、半額で買えてよかったね」
「猫のごはん、今日まで安売りだったから、買えてよかった」
「今日は、餃子を焼こうよ」
家の被害はなく、無事だったのですから、それで、いいのです。いいのですが——あまりに、平常運転。
猫たちは、揺れに怯えています。体調を崩していたチャトランなど、私の足元に、ぴったりと身を寄せて、まだ震えている。その足元とは裏腹に、我が家の女性陣は、実に、逞しいのでした。
■ 息子は、カナダで
そして、我が息子はというと。
地元が一大事だというのに、遠いカナダで、すやすやと眠っている頃合いです。
念のため、向こうで起きた時に、この話題になるかと思い、LINEで、地震があったこと、家は無事なことは、送っておきました。
ただ——女性陣の、あの逞しさについては。どうしても、書くことが、できませんでした。
■ 被害に遭われた方々へ
我が家は、幸い、被害らしい被害もなく、済みました。
けれど、今この時も、被害の情報が、次々と入ってきています。県内では、家屋の倒壊や火災も確認され、少なからず、人的な被害も出ているようです。状況は、まだ、刻々と動いています。
気象庁は、二〇一六年の熊本地震に触れ、今後一週間、特にこの二、三日は、強い揺れに警戒するよう呼びかけています。まだ、大きな余震が来るかもしれません。どうか、皆さまも、くれぐれも、お気をつけて。
被害に遭われた皆さまに、心を寄せています。一刻も早く、穏やかな日常が戻りますよう、願っております。




