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めこねこの日々のあれこれ  作者: めこねこ


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9/16

―第0️⃣0️⃣9️⃣話― 【猫と家族】誰が一番の命の恩人か?『竹林事件』の真相を巡る不毛な戦い

わが家には、定期的に勃発する「不毛な戦い」があります。


通称、「竹林事件」。


それは、わが家の姫である白黒ハチワレの「かぐや」を、

近所の竹林から保護した時の経緯を巡る、終わりのない権力争いです。


事の経緯を整理すると、こうなります。


――――――


まず、第一の主張:私(父)。


ある朝の出勤中、竹林から漏れる微かな鳴き声に気づいたのは私です。


声の主を探すと、そこには親とはぐれた、生後間もない小さな命が一匹。


当時は台風前夜。


風が強まり、このままでは確実に命を落とすと直感した私が、

即座に妻へ連絡を入れたのです。


つまり、私が「かぐやの運命を変えた、第一発見者」

であることは揺るぎない事実です。


続いて、第二の主張:妻。


連絡を受けた妻は、すぐさまタオルを手に竹林へ。


しかし、現場に到着したとき、すでにかぐやの姿はありませんでした。


暗い竹林の中、斜面になった危険な場所まで分け入り、

泥だらけになってかぐやを抱き上げたのは妻でした。


つまり、妻こそが「身を挺して命を救い出した、真の守護神」

であるという言い分です。


そして、第三の主張:娘。


当時わずか3歳だった娘も、母の背中を追って竹林へ入りました。


幼いながらも「母の補助」を全うし、その救出劇を一番近くで見守ったのです。つまり、娘は「最年少の勇敢な功労者」ということになります。


(※ちなみに、当時幼稚園にいた息子は、残念ながらこの戦いからは「戦力外」とされています)


――――――


この三者の誰かがかぐやを膝に載せていると、事あるごとに

「あの時は私が……」「いや、私の機転が……」と、

それぞれの熱弁が始まるのです。


実にくだらない、と言ってしまえばそれまで。


ですが、わが家の姫たる「かぐや」からの寵愛を独り占めする名誉は自分にあると、誰もが一歩も譲りません。


さて、当の「かぐや姫」はというと。


「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」どころか、「家族の不毛は猫も食わぬ」とばかりに、

ヘソを天に向けて夢の中。


他の猫たちも、我関せずと素知らぬ顔で毛繕いをしています。


――――――


結局のところ、猫という生き物は、

恩に着るなんていう野暮なことはしないのかもしれません。


どれほど人間たちが「命の恩人」を自称して火花を散らしたところで、

かぐやにしてみれば、


「私が鳴いてやったから、あなたたちは私に会えたのよ」


くらいに思っているのでしょう。


今日もわが家では、猫の記憶には一ミリも残っていない

「栄光の歴史」を巡って、人間だけが熱く、不毛に戦い続けています。

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