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めこねこの日々のあれこれ  作者: めこねこ


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―第0️⃣7️⃣6️⃣話― 【エアコン復活】壊れたエアコンの、まさかの復活。

エアコンが壊れたと分かってから、しばらく。私はようやく、重い腰を上げました。

修理をするか、それとも、新品を買うか。


さんざん迷った末、一か八か、「修理」を選ぶことにしたのです。


理由は、明白でした。修理業者の見積もりサイトで予測を出してみると、相場は五万円ほど。もちろん、箇所によってはそれ以上になる可能性もありますが——リモコンで電源を入れると、送風だけはしているのです。風は出る。ということは、冷媒関係の故障ではないか。素人判断ながら、そう見当をつけて、修理に踏み切ることにしました。



■ 業者選びで、また迷う


ところが、いざ見積もりサイトで業者を選ぼうとして、私はまた、迷ってしまいました。


私のところには、「スケジュール的に対応できます」と、四社から返信が来ました。しかし——その口コミや価格が、どうにも、判断に困る。


いえ、信頼できない、というわけではないのです。ただ、同じ修理をするにも、価格がまるで違う。冷媒関係の修理だけでも、二万円近い開きがある。そして、決まって、高いほうが評判がいい。


「安かろう悪かろう」はダメだと分かってはいても、これだけ差があると、どうしても、気持ちが揺らぐ。


さて、どうしたものか——と考えていて、ふと、あるものを思い出しました。


以前、保証期間内にエアコンを修理してもらった時の、伝票です。あの時は、メーカーが対応し、修理業者を派遣してくれた。対応も良かったし、価格はそれなりだったけれど、街の電気屋さんより、メーカー直のほうが、やはり信頼できる。


同じ「高かろう」なら、そちらにしよう。私は昔の伝票を引っ張り出し、電話をかけようとしました。



■ メーカーのサイトが、教えてくれたこと


久々に見た伝票には、LINEのQRコードが載っていました。「こちらからどうぞ」との案内。迷わず、アクセスします。


画面には「修理のご依頼はこちら」。それを選ぶと、まず「ご依頼の前に」という画面が出て、今回の症状を詳しく教えてほしい、と言う。


「冷房も暖房も、温度設定がまったくできない」——その選択肢を選ぶと、次に「冷房が効かない場合に、お試しいただきたいこと」という画面に移りました。


なるほど、機械に疎い方にも分かるように、と、初歩的なチェックを促してきます。「室外機の前に、物を置いていませんか」「冷房を、ちゃんと選択していますか」と。


……もちろん、私は、多少は機械に強いつもりです。「そんな初歩ミスはしていないぞ」と、どんどん進めていきます。


すると、次の画面で、こう出てきました。


「一度、エアコンをリセットしてみましょう。コンセントを抜き、一〜二分待ってから電源を入れると、正常に戻ることがあります」


……まさか、そんなことで。

半信半疑で、その説明を読み進めました。



■ まさかの、復活


ちょうど、妻は外出中。たまたま試験期間で早帰りしていた娘が、家にいました。


「これで直ったら、五万円浮くぞ」


そう言って、私はリセットを試みます。コンセントを抜き、一分ほど待って、再び差し込む。


——見事!


リセットしたことで、冷房が効かなくなっていた不具合が、あっさり復旧。冷え冷えとした空気が、吹き出し口から流れ始めたのです。


「ちょっと、手をかざしてみろ」


娘は、最初、半信半疑でした。コンセントを抜き差ししただけで、まさか直るわけが——という顔です。ところが、確かな冷気を感じて、娘も大喜び。


見事、自分の手で、直すことができました。


今回、痛感したのは——もっと早く、メーカーの「困った時」のサイトを見るべきだった、ということです。それを知らなかったばかりに、私は少なくとも一週間、あの暑苦しい夜を、無駄に耐えていたのですから。



■ 妻への、報告


さて。妻が帰ってきました。

ここぞとばかりに、自慢します。


「ほら。修理が終わって、ちゃんと冷気が出てるだろう」


妻も、涼しい風を感じて、大喜びです。


「すごいじゃない。でも、どうやって直したの?」


——私は、胸を張って、こう答えました。

「奥さんがいない間に、修理業者に来てもらったんだ。五万円、かかったよ」


……はい。しっかり、そう報告しておきました。


コンセントを抜いて、差しただけ。かかった費用は、電気代にもならない、ほんの数分。それを「五万円の修理」ということにして、私はまんまと、へそくりの原資を手に入れたのです。


もちろん、真実を知る、唯一の共犯者がいます。


一部始終を目撃した、娘です。


この重大な秘密を、母に漏らさずにいてもらうため。私は近々、娘に、とびきり美味しいケーキでも、ご馳走しなければなりません。


——五万円に比べれば、ケーキ一つなど、お安いものです。

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