表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めこねこの日々のあれこれ  作者: めこねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
71/101

―第0️⃣7️⃣1️⃣話― 【ボンボンドロップ】シール熱——わが家に来航した、思わぬ黒船。

最近、子どもたちの間でシール収集が加熱している、という報道をよく目にします。

単なるシールではなく、ぷっくりと立体的で、こだわりのあるデザイン。大人の男が見ても、確かにオシャレで、可愛らしい。


しかし、加熱しすぎて、なかなか手に入らないのだとか。終いには、いわゆる「バッタ物」まで出回っているといいます。実際、文房具店やファンシーショップだけでなく、普通のホームセンターのような店でも、「ボンボンドロップシール、入荷次回未定」の張り紙が貼られた、空っぽの売り場をよく見かけます。


しかも、その人気は子どもだけにとどまらない。幼い頃にプリクラやシール帳が流行った世代にも「再加熱」で伝わり、品切れに拍車をかけているそうです。


シール帳にびっしり貼ったシールを、友達同士で交換して盛り上がる。単なる収集ではなく、コミュニケーションのツールになっているあたりが、なんとも現代的です。女の子のツールとして、実によくできているな、と感心します。



■ うちの娘は、どこ吹く風


ただ——うちの娘は、どうも興味がなさそうなのです。


そういえば、キティちゃんをはじめとするサンリオグッズにも反応せず、ポケモンやマリオ、ディズニー系に少し興味がある程度。もともと、あまり「グッズ」的なものに、心を動かされないタイプです。


とはいえ、これだけ世間で流行っていると、少し心配にもなります。本人は、このシール熱をどう思っているのか。学校で、疎外感を覚えていたりしないか。気になって、聞いてみました。


「学校で? ……全然、流行ってないよ」

あっさりした返事でした。


娘の学校でなのか、この辺りの中学生全体がなのかは分かりませんが、少なくとも娘の周りでは、流行っていないらしい。だから、加熱するシール業界について、娘は特に何の感慨も抱いていないようです。


娘の通う学校が、地域の中では少し進学校寄り、というのも関係しているのかもしれません。何にせよ、「娘が流行に置いていかれて肩身の狭い思いをしている」わけではないと分かって、私は、ひとまずホッとしたのでした。


わが家に、シール熱は無縁。そう思っていた——矢先のことです。



■ 黒船は、風呂場から来た


「ねぇ、ほら。これ、かわいいでしょ」


妻が、嬉しそうに、シャンプーとリンスのセットを見せてきました。


その日に新発売された、ディズニーのトイ・ストーリーとコラボしたセットが、運良く手に入ったのだそうです。


なるほど、パッケージは確かに可愛らしい。バスルームが、ぱっと華やぐ一品です。妻が喜ぶのも、分かります。……まあ、いいシャンプーとのコラボらしく、値段は少々お高いようですが。インテリアも兼ねていると思えば、そんなものか、と納得しかけました。


ところが、です。


「でね、このシャンプー、"ぷっくりシール"もセットで付いてくるのよ。せっかくだから、流行りだし、揃えていこうかな」


……。


シール熱は、娘にも、その友達にも、来なかった。


代わりに、まさかの「シャンプー」という黒船に乗って、わが家の最年長女子——妻のもとへ、堂々と来航したのです。


そういえば妻は、幼い頃にプリクラやシールが流行った、まさにその世代。報道で言っていた「再加熱で伝わった大人たち」とは、他でもない、わが家にいたわけです。灯台下暗し、とはこのこと。


どうやら、これを皮切りに、「たまたまシールがおまけで付いていた」の理由で、シールとのコラボ商品が少しずつ我が家に侵食し、妻いわく「お得にシールが増えていく」ことになりそうです。


この流れ、一体、いつまで続くのでしょうか。


そして、そのコラボ商品の数々が、わが家の家計に、ぷっくりと張り付いてくるのだろうな——と、まだ見ぬ商品の数々を思うと、私は静かに、財布の中を確認するのでした。


せめて、この熱が、娘にまで伝染しませんように。


いや。それより先に、私の財布が、干上がりませんように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ