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めこねこの日々のあれこれ  作者: めこねこ


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―第0️⃣6️⃣2️⃣話― 【家族会議】今年の夏の映画鑑賞——家族会議で、父の本命だけが言い出せない。

夏休みまで、あと一ヶ月。


夏休みを中心とした上映映画の紹介がテレビで流れるのを見て、わが家でもにわかに、「この夏は何を観るか」が話題になっています。


子どもたちの部活、私たちの仕事のスケジュール。観たいものを全部観られるほど、時間を合わせられるかは分かりません。多くて二本、少なくとも一本は観に行こう。そういう前提で、どの作品を観るかの「家族会議」が始まりました。



■ 各自の「推し」が、出そろう


本命として名前が挙がっているのが、『トイ・ストーリー5』。


過去作もほとんど映画館で観てきた、思い入れのあるシリーズの最新作です。今回は、おもちゃたちが「電子タブレット」という新たな脅威と向き合う物語だとか。家族の総意として、これは堅い、という空気です。


妻が推しているのが、『キングダム 魂の決戦』。

前作も一人で観に行くほどハマっている作品で、「絶対観たら面白いよ」と子どもたちを誘っています。が、二人とも漫画を読んでいないため、「シリーズの途中から観てもなあ」と難色。早々に、妻のキングダムは候補から外されました(合掌)。


息子が推すのが、『モアナと伝説の海』の実写版。

大のディズニー好きの息子は、これを楽しみにしている。アニメ版で声を担当したドウェイン・ジョンソンが、実写でも英雄マウイを演じると知って、相当の入れ込みようです。


そして娘が推すのが、意外や意外、『黒牢城』。

黒沢清監督が手がけた、戦国時代を舞台にしたミステリーの傑作と名高い一本。「時代劇でミステリーなんて、渋いところを攻めるな」と感心したのですが——理由を聞けば、なんてことはない。Snow Manの舘さま(宮舘涼太さん)が出ているから。安定の、Snow Man箱推し。彼女の軸は、今日もぶれません。


ちなみにこの『黒牢城』、すでに先月から公開中です。本来なら箱推しの娘は初日に駆けつけたいところだったのでしょうが、家族の都合でずるずると先延ばしにされ、「早く観に行きたいんだけど!」と、毎日のように圧をかけてくる状況です。



■ そして、父はまた発言権を失う


結局のところ、息子の「モアナ」と娘の「黒牢城」が競り合い、うまく予定が組めれば三作品くらい観られたら、というあたりで、議論は落ち着きました。

さて。


お気づきかもしれませんが、私はこの家族会議でも、見事に、自分の意見を言うことができませんでした。


しかし、決して蚊帳の外、というわけではないのです。


「お父さん、これ、どこで上映されるの?」

「いつから公開だっけ?」

「前売り券を買ったら、いくらで観られる?」


——はい。そうです。私はいつものように、「情報収集係」として、家族に貢献させていただきます。



■ 父の、ささやかな本命たち


実を言うと、私にも観たい作品はあるのです。


ひとつは、スティーヴン・スピルバーグ監督の新作とされる『ディスクロージャー・デイ』。アメリカでは公開済みで好評だという話を聞きますし、日本公開は10月1日。何より、都市伝説好きの私としては、「2026年7月に、トランプ大統領が地球外生命体の真実を本格的に開示する」なんて噂と妙に重なって、勝手に盛り上がっているのです。


しかし、私の真の本命は——もっと別のところにあります。


9月4日公開の、『温泉シャーク2 九州大決戦』です。


温泉に凶暴なサメが出現するという、頭のネジが小気味よく外れた設定の、日本発サメ映画。その続編にして、なんと舞台は、わが熊本県の小国町・杖立温泉。九州全土を巻き込んだ、壮絶なバトルが描かれるというのです。


荒唐無稽。けれど地元・熊本。そして、サメ。

——もう、私の心を撃ち抜く要素しか、ありません。


ですが、この作品の名前を家族会議で口に出したら、最後。

妻の冷ややかな視線、息子の同情の視線、娘の憐れむような視線、その三点同時攻撃にさらされることは、火を見るより明らかです。


だから私は、言いません。


トイ・ストーリーも、モアナも、黒牢城も。家族のための映画は、喜んで段取りをします。情報も集めますし、運転手も務めます。


そのうえで——いつか、どこかのタイミングで。


誰にも言わず、こっそり一人で、サメが温泉から飛び出す九州を、見届けに行こうと思っています。


それが、情報収集係に徹する父の、ただ一つの密かな楽しみなのですから。

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