表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めこねこの日々のあれこれ  作者: めこねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/105

―第0️⃣4️⃣5️⃣話― 【策士の妻!】子どもの寝起きと、いつの間にか上がっていた父のハードル。

息子と娘の寝起きが、しこたま悪い。


理由は、分かっています。早く寝ろと言っても、遅くまで起きているからです。

私は知っていますが、促すだけで、細かいチェックまではしていません。なぜなら、夜更かしの中身を知っているからです。


息子は寝る前に、束の間のYouTube鑑賞。娘は、目指す漫画家のための画力アップに余念がない。どちらも、それなりに勉強を終えた上でのことなので、私もつい目くじらを立てるのを躊躇ってしまうのです。


だから、静かに見守りつつ、度が過ぎたときだけ注意する。そんなスタンスでいます。



■ 機能しない目覚まし時計


問題は、翌朝です。


何が問題かというと、目覚ましが、まったく機能していないこと。

二人とも、スマホの目覚まし機能を起床時間にセットしています。しかも、一度では起きないことを見越して、3回鳴るように設定している。なかなか用意周到です。


ところが。


1回目がけたたましく鳴っているにもかかわらず、起きない。あんなものが耳元で鳴り響いていれば、普通は飛び起きそうなものですが、起きる気配が一切ない。


いや、違います。


起きる気が、ないのです。


だから、音が鳴ろうがどこ吹く風で、平然と眠り続ける。結局、再三にわたって私か妻が起こすことになります。


そして何度目かの声かけで、ようやく起き出してくる。けれど、その機嫌たるや、すこぶる悪い。朝食の食卓には、無言の、冷たい空気が流れるのです。


これが、毎朝。



■ ふと、よぎる不安


そんな食卓の空気を眺めながら、私はふと思うのです。

この子たち、一人暮らしなんて、できるのだろうか、と。


息子は3年後、大学に入るでしょう。行けるかどうかは別として、憧れているのは東京の大学だそうです。


しかし、今のままでは。


毎朝起きられず、講義に通えず、何のために上京したのか分からない状況になるのが目に見えています。


妻は、冗談めかして言います。


「息子が東京の大学に無事入学できたら、それはきっと、お父さんも一緒に上京することになるわね」


笑えません。


朝の目覚めだけではない。三度の食事をまともに摂れるかも怪しいし、炊事・掃除・洗濯もままならないでしょう。何より、規則正しい生活リズムを自力で保てるとは、とても思えないのです。


私としては、「生活リズムをどうにかできないなら、東京は認めない。それなら地元の大学にしろ」と言いたい。


……いや、待てよ。


そもそも、彼は希望する大学に入れるのか。成績的にはまだ疑問符がつくため、上京がどうこうの前に、まずはそこから導いていく必要がありそうです。皮算用は、その後の話です。



■ 一方、娘は


娘のほうは、逆に、漫画家一直線で突き進みそうです。


勉強もするように言っていますし、偏差値的にも悪くはない。ただ、本人の中ではもう「漫画家以外の選択肢はない」と決まっているようです。


差し迫った問題は、高校をどうするか。


美術科のある高校にするのか。それとも、公立で全国唯一の「マンガ学科」がある高校を目指すのか。その行方が、親としては心配でもあり、正直なところ、少し面白くもあるのです。


そんな話をしていると、妻がぽつりと言いました。


「お父さんが原作で、娘が作画とか、できたらいいのにね」


……戸惑います。


急に、私のハードルが上がってきました。



■ 結局、一番の策士は


子どもの寝起きの悪さを心配していたはずが、いつの間にか、息子の上京には私の付き添いが検討され、娘の進路には私の原作者デビューが期待されている。


わが家の次世代の「目覚めの悪さ」は、巡り巡って、すべて私へのプレッシャーに変わっていくのでした。


朝、布団から出てこない子どもたち。


それを起こす私と妻。


そして、その横で着々と「お父さん活用プラン」を練っている妻。


——わが家で一番の策士は、誰よりも早起きな、妻なのかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ