―第0️⃣0️⃣4️⃣話― Amazonでも買えないもの。執筆用の椅子と、傑作の距離。
私たちは、人生の多くの時間を「椅子」の上で過ごしています。
仕事はもちろん、こうして文章を綴る時も、食事を摂る時も。
何かの作業をする時、そこには常に「椅子」という相棒がいます。
だからこそ、椅子は人生を支える大切な道具なのだと思うのです。
わが家には、思い切って手に入れた「二つの椅子」があります。
――――――
一つ目は、ダイニングテーブルに添えられた椅子。
地元の老舗家具屋で見つけた、立派な一枚板のテーブルセットです。
実は、私がこのセットを選んだ理由はテーブルそのものではありません。
セットになっていた、**「回転型の大型チェア」**に一目惚れしたからでした。
どっしりとした構えに、背中に吸い付くようなフィット感。
「これだ!」と直感した座り心地。
……ですが、誤算がありました。
この椅子の心地よさを知っているのは、人間だけではなかったのです。
わが家は四人家族で、猫も四匹。
ふと気づくと、誰かの椅子は必ずといっていいほど「猫様」に占領されています。
彼らもまた、良い椅子の違いが分かる「目利き」のようです。
――――――
二つ目は、私の書斎で使っている仕事用の椅子。
こちらには、私の切実な「二つのこだわり」を詰め込みました。
一つは、「キャスターがないこと」。
以前の椅子は、私の激しい(?)動きに耐えきれなかったのか、
キャスターがすぐに悲鳴を上げてしまいました。
決して私の体重のせいではない……と思いたいのですが(笑)
今回はあえて固定式のしっかりとした足を選びました。
そしてもう一つは、「フルフラットになること」。
私は執筆の合間に、椅子の上で「ちょっと一眠り」するのが癖なのです。
普通のリクライニングだと、起きた時に首や腰を痛めてしまう。
最悪、エコノミー症候群の恐れだってあります。
低反発マットを敷き、簡易ベッドのように体を預けられる今の椅子は、
私の用途に完璧にマッチしてくれました。
――――――
座り心地は最高。環境は整った。
……しかし、ここで一つの問題にぶつかります。
「最高のマッチングを誇る椅子があれば、傑作が書けるのか?」
残念ながら、その答えだけは、どれだけお金を積んでも、
Amazonの奥地を探しても見つかりません。
道具は整えられても、そこから先は自分の内面との戦い。
今日も最高の座り心地に身を任せながら、画面の向こうにある
「まだ見ぬ物語」を追いかけています。




