―第0️⃣2️⃣4️⃣話― 息子の高校の保護者会と、我が家の「テニスの王子様」
息子の高校の保護者会があり、出席してきました。
「高校生にもなったら、もう親がこういう集まりに出ることも無縁になるのかな」
なんて思っていましたが、とんでもない。非常に中身の濃い、しっかりとした内容で、「あぁ、あと3年間はこの皆さんとこうしてお付き合いを続けていくんだな」と、改めて気が引き締まる思いでした。
とはいえ、息子は中高一貫校に通っているため、教室を見渡すと見覚えのある顔ぶれがちらほら。そこまで強い違和感はなく、どこかホッとする空気も漂っていました。
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そんな中で始まった、新クラスでの保護者自己紹介。お題は「息子の良いところ」と「なにか一言」。
私の順番は、最後から4番目ほど。「まだ時間はあるな」と少し余裕を感じながら、皆さんのスピーチに耳を傾けつつ、頭の中でひそかに構成を練り始めました。
無難な話をされる方もいれば、お子さんの内面をかなりぶっちゃけてお話しされる方もあり、「さて、私はどのラインでいこうか……」と考えているうちに、3本柱が決まりました。
・子どもの良いところ
・部活動は何をしているのか
・親としての関わり合い
よし、これで綺麗にまとまる。準備万端。
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いよいよ私の番が回ってきました。
まずは名前を伝え、続いて部活動の話へ。
「部活動は、硬式テニスを選びまして……」
そう口にした瞬間、周りの親御さんたち一部に、なんとも言えない「おや?」という空気が流れました。
その理由は、すぐに判明します。
息子の高校は一学年10クラスあるのですが、男子硬式テニス部の「過半数」が、息子のクラスに集中していたのです。どうやら息子をはじめとする中学からの「仲良し5人組」が、揃って同じ部活になだれ込んだようでした。
発表しながら、私は内心こう思っていました。
……お前ら、示し合わせたな。
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実は親としては、「もし成績が落ちるようなら、部活なんてしないで勉強に励みなさい」と、事前にちょっとした釘を刺していました。
しかし当の本人は、この仲良し5人組で部活を通して高校生活を「全力で青春」したい様子。そこまで楽しそうに一歩を踏み出されては、親としても無碍に反対するわけにはいきません。
スピーチでは、そんな息子の良いところもお伝えしました。息子にはいわゆる「反抗期」がほとんどありません。「めんどくさいな」という態度を取ることはあっても、基本的には親の助言にしっかりと耳を傾けてくれる素直さがある。それが、この子の大きな長所です。
そんな話も交えつつ、無難にスピーチを終えることができました。
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そして帰宅後、息子と改めて男同士の話をしました。
「せっかく仲良し5人組で同じ部活を選んで、高校生活を最高にしようとしているんだ。だったら、部活だけじゃなくて勉学においても、お互いに切磋琢磨しなさい。3年間ちゃんと積み重ねを続けて、全員が行きたい進路を選べるようにするんだぞ。なんなら、お前がまず成績をグッと上げて、友達のカンフル剤になってみたらどうだ? 今のままでは、全員でズルズルと良くない結果を招く可能性だってある。そんな悲しいことにならないように、しっかりやりなさい」
そう伝えると、息子は静かに頷き、素直に机に向かって勉強を始めました。
言うことを聞いてくれる。それだけで、十分すぎるほどありがたい息子です。
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かつて『テニスの王子様』を愛読していた私としては、我が子ながら、主人公・越前リョーマのごとくコートで大暴れしてほしいところです。
しかし、ひとつ大きな問題があります。
息子が中学時代にやっていたのは、テニスはテニスでも——
「テーブルテニス」、つまり卓球部です。
ラケットの大きさが何倍にも。コートの広さも何倍にも。いきなり別競技と言っても過言ではないレベルのスケールアップです。
越前リョーマへの道は、なかなかに険しい。
それでも。仲良し5人組と過ごす3年間は、きっとかけがえのないものになるはずです。テニスの腕前がどこまで伸びるかは神のみぞ知るとして、コートの上でも教室でも、精一杯「青春」してほしい。
卓球台よりずっと広いコートの上で、さて、どこまで化けてくれるか。
父は、楽しみに見守ることにします。




