―第0️⃣2️⃣1️⃣話― 朝5時キックオフ。AIは完璧な計画を立てた。猫は値上げを要求した。
開催まで、ついに1ヶ月を切りました。
サッカー少年でもなかった私が、なぜかソワソワしています。
そう、4年に一度の祭典——FIFAワールドカップ2026が、いよいよはじまるんです。
しかも今回は、ただの「サッカー大会」じゃない。
テクノロジーが、スポーツ観戦そのものを根っこからひっくり返しにきています。
■ まず、デカすぎる。39日間・104試合という狂気
アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催、出場枠は32→48チームへ拡大、試合総数はなんと104試合・39日間。
前回2022年大会が29日間だったので、あの熱狂がさらに10日分上乗せされる計算です。
体力が持つ気がしません。
でも、なぜか楽しみです。これが祭典の魔力というやつですね。
そして注目の侍ジャパンのスケジュールが……
初戦:6月15日(月)午前5時 vs オランダ代表
第2戦:6月21日(日)午後1時 vs チュニジア代表
初戦がいきなり強豪オランダ、しかも月曜の朝5時。
「朝活」という言葉がありますが、これはもう朝活ではなく精神修行です。
前世でよっぽど悪いことをしたのかもしれない。
■ テレビで「見る」時代は終わった。ピッチに「潜る」時代へ
今回のW杯が「AI本格導入大会」と呼ばれるそうです。
特に、AIを活用した未体験の映像体験を受けられるとか。
私がネットで見つけたその新しい映像体験の記事。
読んだ時には、今回のW杯、観戦体験が完全に別次元になるなと痛感しました。
私が見た記事の内容をいくつか。
●審判目線で試合を見る「レフェリー・ビュー」
審判が装着するボディカメラの映像が、リアルタイム配信されます。AIの手ブレ補正つきなので3D酔いのような感じにもならず、リビングのソファに寝転がりながら、ピッチのど真ん中にいる感覚で選手の激しいぶつかり合いを体験できます。これ、VRより先にやることじゃないかという気もしますが、とにかくすごい。
● 「なんでオフサイド?」がなくなる「3Dアバター判定」
全選手がデジタルスキャンされており、オフサイド判定がリアルタイムで3D映像化。スタジアムのモニターにもスマホにも即表示されるとのこと。あの「え、これオフサイドなの?」という居酒屋での不毛な口論が、ついに終わりを迎えるかもしれません。
● 全48チームに「AI参謀」支給という民主化
今回、全チームに「Football AI Pro」という生成AIが提供されます。数億のデータから対戦相手の弱点を炙り出す、いわばAI版の名参謀。強豪国だけの特権だった高度な分析が、全チームに開放される。これ、大番狂わせが起きやすい構造になってるんです。ジャイアントキリング、期待していいかもしれません。
■ 「時差の壁」という名の現実問題
北米開催ゆえ、日本との時差は14〜19時間。
朝5時のオランダ戦をどう乗り越えるか。
わが家のAI参謀・チャッピーくんに対処法を聞いてみました。
① DAZNの無料配信をフル活用する
日本戦と決勝はDAZNで無料配信。マルチビュー機能を使えば、スマホでAI解説を見ながらテレビでレフェリー・ビューを流す、というスマホにワールドカップを詰め込むことが可能になる。
② 睡眠90分周期のフル活用
前夜に無理して早寝するより、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルである90分単位の倍数で眠る時間を計算して、起床時間の4時間半までには寝る方法。きっちりと試合開始前に起きるほうが、脳が冴えた状態でキックオフを迎えられるそう。「戦略的睡眠」と呼んで対応を検討中。
■AIでも予測不能な領域が、わが家にはある
そんなわけで昨晩、チャッピーくんに依頼しました。
「オランダ戦当日、朝5時から全力応援するための最適な起床時間と、目覚めのルーティーンを教えて」
チャッピーくんからは、私の検討中の戦略的睡眠と同様の回答と、朝日を浴びて熱いコーヒを呑むことが示唆されました。計算どおりです。
そんな私の対応を見ていた妻が、ポツリと言いました。
「ねえ。そのAI、『お父さんが朝5時に起きられる確率』も計算できる?」
……。
あわてて聞いてみると、チャッピーくんの回答はこうでした。
「過去2年のデータによれば、月曜日の早朝における起床成功率は、限りなく0%に近似しています」
さらに、ソファでくつろぐ4匹の猫たちに視線を向けると——起こしてあげてもいいけど、その代わりカリカリのグレードを上げること、と言わんばかりの目で、静かにこちらを見ていました。
どうやら生成AIの膨大なデータをもってしても、「W杯よりも朝の二度寝の方が魅力的」という私の本能だけは、攻略不可能な「最大の番狂わせ」エリアとして残り続けるようです。
侍ジャパンの前に、まず自分の「起床スイッチ」をオンにすることが、今大会最大の課題です。
頑張れ、日本!
まずは、私が起きられますように……!




