最悪の再会
セルフレイティングで指定していた性描写ありが、ここにきてやっと少し出てきます
瑶季に指定された場所は、街の中心部から少し外れた、既にその日の営業を終了した地方銀行の駐車場だった。
夜の23時半を過ぎ、街灯がまばらに灯るだけの広いアスファルト。
駐車場の端にあるベンチに、瑶季が座っていた。
スマホの画面を眺めながら、足をぶらぶらさせている姿は、
中学の頃のままの無邪気さと、酔った大人の色気が混じり合って、柊の胸を一瞬で締めつけた。
車を停めて降りると、瑶季がすぐに顔を上げた。
「柊くん!」
彼女は立ち上がって、ベンチの隣に手招きする。
柊は、深呼吸して近づいた。
心臓が爆発しそうに鳴っている。
数年ぶりの再会。
嬉しいはずなのに、混乱と警戒が勝っている。
瑶季の酔った声、急な連絡、深夜の呼び出し——全てが、昔の瑶季とは違う何かを予感させる。
柊は、ベンチに少し距離を空けて座った。
肩が触れない程度に、30cmくらい離れて。
それでも瑶季はすぐに隣に座り直し、
「柊くん、本当に久しぶり〜。なんか、前よりかっこよくなった?」
柊は、声が少し上ずるのを抑えながら、
「瑶季……お前こそ、前より綺麗になったか?」
深夜で街灯の光が弱いはずなのに、瑶季の顔は、以前よりさらに可愛く、綺麗に見えた。
頰は酒で赤く、瞳は少し潤んでいて、唇は自然と尖り気味。
中学の頃の無邪気な少女の雰囲気を残しつつ、大人の女性の色気が、柊を圧倒する。
浴衣姿の夏祭りの夜を思い出す。
あのときの手の温もり。
でも、今の瑶季は、もっと危うい。
30分ほど、雑談が続いた。
柊の大学での話や、高校卒業後の瑶季について。
「最近どう?」「大学、楽しい?」「就活、決まった?」
そんな他愛もない会話。
瑶季は高校卒業後は東京の専門学校に進学し、そのまま東京で働いているらしい。
瑶季は酔っているせいか、声が少し大きめで、時々笑いながら柊の肩を軽く叩く。
柊は、距離を保とうと少しずつ体をずらしたが、瑶季はすぐに詰めてくる。
肩が触れ合う距離まで。
柊はまた少し離れる。
瑶季はまた寄ってくる。
まるで、猫がじゃれるように。
そして、瑶季は自分の右手を、柊の左手に重ねた。
指を絡めて、軽く握る。
柊の心臓が、どくんと鳴った。
瑶季はさらに体を寄せて、柊の左腕に自分の右腕を絡みつける。
まるで寄りかかるように。
次に、瑶季の手が柊の太腿に置かれた。
軽く撫でるように、指を動かす。
柊は、体が硬直した。
瑶季は、時々柊の目を見て、唇を尖らせる。
上目遣いに、じっと見つめてくる。まるで、キスをねだるかのように。
柊は、それを見て見ぬ振りしかできなかった。
視線を逸らし、喉が乾いているふりをして、
「瑶季……もう遅いし、家まで送るよ」
とだけ言った。
瑶季は、少し不満げに唇を尖らせたまま、
「え〜、もう帰るの?まだ話したいのに……」
柊は立ち上がって、
「車、こっちだ。行こう」
瑶季は、ため息をつきながらも、素直に立ち上がった。
歩きながら、瑶季は柊の腕に絡みつくように寄り添ってきた。
柊は、なんとか距離を取ろうとしたが、瑶季は離れない。
車に着くまで、ずっとそうだった。
助手席に瑶季を乗せて、エンジンをかける。
瑶季はシートに深く沈み込んで、
「柊くん……変わんないね。優しいまんま」
柊は、言葉に詰まった。
アクセルを踏む手が、少し震える。
瑶季の家に向かう道中、車内は、静かで、重い空気が流れた。
瑶季は、時々柊の横顔を見て、小さく微笑む。
柊は、視線を感じながら、ただ前を向いて運転した。
しばらく車を走らせていると、瑶季は助手席でシートに深く沈み込み、
「ここでいいよ……」と小さく呟いた。
「まだ家から遠いだろ……? もう少し近くまで……」
言いかけた言葉は、瑶季の動きで途切れた。
瑶季が、ゆっくりと体を起こし、柊の方に体を傾けてきた。
シートベルトの音がカチッと外れる。
顔が近づく。
あと数cmで、本当に唇が触れてしまいそうな距離。
瑶季の息が、酒の甘い匂いと混じって柊の頰にかかる。
目を潤ませ、唇を尖らせて、「ねぇ、来て……」
完全にキス待ちの状態。
誘惑するような、甘い囁き。柊の心臓が、爆発しそうに鳴った。
体が硬直する。
瑶季の瞳が、街灯の光を反射してキラキラしている。
左手が、柊の太腿に置かれる。ゆっくりと撫でるように動いて、遂にズボンの上から局部に触れた。
軽く、指先で押すように。
柊は、反射的に体を引いた。
「瑶季……酔いすぎだろ。お前……彼氏とかいるんじゃないのか」
瑶季は、目を細めて、
「んー? 彼氏なんかいないよ……だから、してほしいなぁ……」
目を閉じて、顔をさらに近づけてくる。
柊は、必死にかわそうとした。
体をシートに押しつけて距離を取ろうとするが、瑶季はさらに寄ってくる。
「ねぇ、何でしてくれないの……」
半ば諦めたように、半ば怒ったように、瑶季の方から唇を重ねてきた。
柔らかい感触。酒の甘い味。瑶季の息が、柊の唇に直接触れる。
数秒の、静かなキス。
柊の頭の中が、真っ白になった。
瑶季の唇が、重ねられた瞬間——
最初は、ただの柔らかい感触。唇を軽く押しつけるだけの、短いキス。
一度、二度、三度。
瑶季の息が、酒の甘い匂いと混じって柊の鼻腔をくすぐる。
柊の体は硬直したまま、動けない。
理性が「やめろ」と叫んでいるのに、体は拒否する力を失っていた。
瑶季の左手が、柊のズボンの上から局部を撫で始めた。
ゆっくりと、円を描くように。
右手は柊の左手を掴み、自分の胸元へと導く。
柔らかい膨らみに触れた瞬間、柊の指が震えた。
「柊くんだって、男の子でしょ…?」
その一言で、何かが弾けた。柊の理性の最後の糸が、切れた音がした。
3年半、忘れていたはずの想いと独占欲と執着が、一気に溢れ出す。
海月先輩への執着も、瑶季への過去の痛みも、今この瞬間だけは、すべて吹き飛んだ。
柊は、自分から唇を重ねた。
瑶季の唇を強く押しつけ、舌を絡めようとした瞬間、瑶季の方が先に舌を捩じ込んできた。
湿った熱が、柊の口内を埋め尽くす。
時間にして30秒ほど。
しかし柊にとっては、悠久とも思える長い時間だった。
瑶季の舌が、柊の舌を追いかけ、絡みつき、甘い唾液が混じり合う。
柊の手は、瑶季の胸を無意識に揉みしだいていた。
瑶季は小さく喘ぎながら、柊の局部をズボンの上から強く握り、擦るように動かす。
唇が離れた瞬間、瑶季が息を荒げて囁いた。
「ねぇ……もっと良いことしよ…?」




